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海賊対処法案 質疑終わる


 NHK中継入りの質疑が終了。質疑者にとって35分という時間はあっという間に過ぎていく。質問の流れをどう組み立てるか、閣僚の答弁に対してどう切り込むか。質疑中も頭の中ではそのシュミレーションを絶えず行っているため、結構緊張するものである。でもその辺はポーカーフェイスのせいか、外見からはあまり分からないらしい。

 用意した質問のうち、時間の制約できなかったものも多数。今回の質疑では海賊対処行動について、政府による国会への報告ではなく、国会の事前承認を求めるべき、との趣旨を最大の軸とした。なぜなら、武装部隊を海外派遣することはすなわち軍隊を使うということに他ならず、ソマリア沖のように日本から12000キロ離れた遠洋に500名近い隊員を派遣するとなれば、部隊に対する行動のチェックが欠かせなくなるからだ。

 

 今日の自衛隊の在り方に馴染む日本人には想像しにくいことだが、武装した部隊が暴走するリスクを政府と国会は常に考慮しなければならないと私は思う。武装部隊の暴走は国民の生命を奪い、民主主義を破壊する(近年では韓国での全斗煥保安部司令官による陸軍クーデターとその後の権力掌握が生々しい実例だ)。そうした事態を防ぐため、民主主義なら当然の実力組織のチェックを、政府は人事(総理が大臣の任命権をもち、総理・国務大臣は文民であること:憲法66条2項)を通して、国会は海外派遣時の事前承認を通して行うのである。つまり自衛隊を海外に派遣する際には国民が部隊派遣の妥当性を理解し、その理由を納得することが欠かせず、国民を代表する国会がその是非を判断して暴走のリスクを抑えなければならないのだ。

 ところが、私はこれまで委員会質疑を聞いていて、この最も重要なポイントである国会関与規定に関し、政府が今回の法案に定めた国会報告と、われわれ民主党が求めた国会事前承認の具体的な違いがいま一つ明瞭になっていないと感じた。そこでその相違を分かりやすく指摘し、総理に翻意を促したいと考えた。だが残念ながら時間切れで十分に議論を尽くせなかった。

 要はその差は、政府が能動的に自衛隊海外派遣に関わる情報を国会に提供するか、しないか、だと私は思う。つまり事前承認の場合は、国会が海外派遣の是非を決定できるため、政府は国会が求める情報を提供できなければ、派遣を許可してもらえない。そこで政府には情報を積極的に公開提供しようという強いインセンティブ(誘因)が働く。(例えば韓国国会は去る3月に国軍のソマリア沖派遣を承認したが、その審議の際には派遣計画、部隊規模、活動内容、予算内訳詳細、武器使用基準、隊員の健康管理と医師同行要件に至るまで、実に細かい情報提供が政府より行われ、活発な議論が交わされている)。一方国会報告のみの場合には、国会には海外派遣の是非を決定する権限が付与されないので、政府が能動的に情報提供をするインセンティブは働かない。

 

 結局、今日の委員会で海賊対処法案は否決されたが、この後衆議院における3分の2条項による再議決を経て、法案は成立する見込みである。それにしても、質疑終了後全国から実に多くの激励の電話、メールを戴き感激した。この場を借りて感謝申し上げたい。やはり多くの方が視聴するNHK中継の効果は大きいのだな、と思った。質疑が終わって国会の外に出た際、外交防衛委員会委員部の方々から声をかけて頂き、リラックスしてようやく肩の力が抜けた。

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