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原子力の安全規制 組織をどうすべきか

今回の質疑で細野大臣と集中的に議論したのが、原子力の安全規制組織をどうするか、だ。

原発事故後、原子力安全委員会のイニシアチブは惨々たる有様。原子力の安全規制を担うこの組織をどうにかしなければならないと感じるのは私だけではない。

 

政府は8月、「原子力安全規制に関する組織等の改革の基本方針」を閣議決定している。そこで「規制と利用の分離の観点から、原子力安全・保安院の原子力安全規制部門を経済産業省から分離し、原子力安全委員会の機能をも統合して、環境省にその外局として、原子力安全庁(仮称)を設置する。」とした。

 

でもこの案は、原子力の安全確保の徹底という観点から見て的を得ていないと思う。 理由は次の通りだ。

  

 1)「庁」ではパワー不足

原子力の安全規制には、担当機関の強い独立性が不可欠。原子力安全庁になった場合、国家行政組織法上「庁」は省の「外局」(第3条第3項)なので、現行の原子力安全委員会より明らかに格下、だから強い独立性は付与できない。

   

 2)法律で位置づけることの意味、政令で位置づけることの意味

原子力安全委員会 「原子力安全審議会」とすると、現在安全委がもつ「安全確保に関する事項について企画し、審議し、決定する」という強力な権限がなくなってしまう。いまの安全委が組織として(本来なら)強いのは、原子力基本法4条に安全委がはっきりと位置づけられているから。これが審議会となると「審議会令」で規定されてしまう。これは法律でなく政令レベル。こうなると安全委そのものは組織として圧倒的に弱くなる。

   

 3)原子力の安全確保は「民主的に、公開で」が大事

「庁」になれば国会同意人事ができなくなり、国民主権に基づく国会の統制から外れる恐れがでる。原子力基本法に「原子力行政の民主的な運営を図るため(中略)原子力安全委員会を設置する」(第4条)とあるように、原子力の安全規制は「民主的に、公開で行う」ことが原則。(現に今、事故が起き、汚染され、国民が強い不安を覚えているが、そうした声が原子力行政に充分反映されていない。これは原子力安全委員会が国民の声を反映し、動いていないから。)

 

こう考えると、新組織は法制上強い位置付けとし、科学者が政治家と行政機関にしっかり助言・勧告できる権限を確保し、国会が組織の人事をチェックする必要がある。

 

私は今回、安全委に委員長はじめ人を得ていないことが、事故対応の遅れにつながっていると考えている。「人を入れ替えれば全然違うのに」と思う。一方、細野大臣は、日本の風土には安全委のような行政委員会は合わず、「庁」や「省」といった行政機関でなければ危機時に対応できないと考えているようだ。

 

でも原子力安全庁案には穴が多い。長官に政治家を充てて危機の時にグリップを効かせ、国会の統制の下に置くと言っても、庁に入る役人は皆、経産省、内閣府等の原子力担当部署から来る。入っては元の役所に戻り、戻っては原子力安全庁に入る、という従来の役所ローテーション人事だと、今の保安院同様、安全規制組織として機能しないのでは?

 

ではどうすべきなのか。近々、私案をまとめ、示したいと思う。

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