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小沢氏の離党について思うこと


小沢議員ほか49名の衆参議員が離党した。


民主党議員のひとりとして、こうした事態となったことを残念に思う。国民の皆さんに深くお詫びしたい。


一方で私は、今回の騒動の本質は何かということを考えている。

その発端は2008年のリーマンショックに伴う世界経済の構造変化だ。

リーマンショックによる世界不況を受け、大幅に減った日本の税収。

それに伴い、マニフェスト変更は不可避となったのだが、

それを国民に説明し、総選挙で理解を得、その後の国政運営に取り組むという道を選ぶか(菅、野田氏)、

あるいは税収不足には目を瞑ってあくまでもマニフェスト実現を目指すか(小沢氏)。

実はその違いが今回の分裂の本質的理由だ。



民主党は2009年8月30日の総選挙で政権政党となった。

9月に鳩山代表(当時)が首班指名を受け、組閣。

この年の7月頃、当該年度の税収見通しが確定する。約38兆円という数字である。

前年度比でマイナス5.6兆、前々年度比でマイナス12.3兆円だった。これは衝撃だった。

リーマンショックによる世界的不況により、日本の税収も大きく落ち込んだのだ。



民主党はマニフェストで、年間約16兆の無駄を摘出し、それを公約実現の原資に充てると約束した。

しかしそもそも税収が落ち込めば、公約を見直し、優先順位を付けることは不可避になる。

いかに無駄を削減しても、本体の税収が減ってしまえば実現の原資が足りなくなるのだから。



私は、2009年8月の総選挙直前に行われた、民主党のマニフェスト説明会に出席していた。

当時、説明役を除き、国会議員でこの場にいたのは私のみだったと記憶している。

内容説明にあたった直嶋政調会長(当時)は、記者の質問に答え、税収予想を40兆円台半ばから50兆円と見込み、

もし足りない場合は公債発行で不足分を補充すると説明したことを覚えている。



政権交代前後の税収は次の通りだ。(出典:『日本の財政』23年度版 東洋経済  24年度分は財務省発表)

19年度 51兆円

20年度 44.3兆円 (リーマンショック発生)

21年度 38.7兆円 (政権交代)

22年度 39.6兆円

23年度 40.9兆円

24年度 42.8兆円 (24.7.2発表 見込み)


政権交代前、民主党が想定した税収を大きく下回る数字。

これを見れば、マニフェストの各項目に今一度優先順位を付け直した上で

総選挙で国民に信を問うプロセスはやはり不可欠だったと思う。


実は私はそれを、2010年夏の参院選の際、党幹部に進言した。

衆参ダブル選挙を実施し、マニフェスト見直しを国民に問うべしと。そうしなければ、その後の政権運営で野党から絶えず非難を受けることは避けられないと考えたのだ。

しかしダブル選挙にはならなかった。


最近、当時の政府・党首脳と話をする機会があった。

そこで上記の疑問を率直にぶつけてみた。なぜダブル選挙でマニフェストを見直さなかったのですか?

あの時ならば、国民の理解を得られたと思いますが、と。

返ってきた答えは次のようなものだった。

政権交代時のマニフェストをつくったのは当時の代表(小沢氏)だった。

だからそれを見直そうとすれば、間違いなく抵抗を受けただろう。


この首脳が言う通り、2010年当時にダブル選挙で見直しをしようとすれば

おそらく小沢グループは党内反乱を起こすか、もしくは今日のように離党しただろう。

参院選挙直前にそのリスクを取ることができるかどうかは、当時の政権首脳にとって難しい判断だったと思う。



マニフェストで約束した政策の実現。

政権交代後に起きた財政状況の変化と、それを踏まえた政策対応。

両方とも大事なことである。

肝心なことは、1)徹底的に無駄を削る(とりわけ特別会計と医療費) 2)財政上の現実を踏まえてマニフェストの優先順位を付け、高いものから実行する 3)消費税増税は1の努力を実行継続しながら国民の理解を得る

ということに尽きると思う。もし私が小沢氏のような立場にいて、1を主張し離党するならば、その前に一人の党議員として党の各種会議に出席し、1に関する具体的提言を示し、その実行を党執行部と政府に促すだろう。今回、残念ながらそうした姿は見られなかったと思う。


日本の財政構造上、最大の課題は二つある。

ひとつは一般会計中28兆円の社会保障支出をいかにスリムにするか。特に毎年1兆づつ増える医療費。

そして政権交代後削減を重ねたとはいえ、現在も約100兆円の規模を誇る特別会計、これをいかに縮小するか。

そのためには独立行政法人、特殊法人改革が避けられない。

各省が自らの財布をもち、そこにこれら法人がぶら下がる構造。これが特別会計だ。

後日、この特別会計制度の改革について、根本的部分に関わる私案を記したいと思う。










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