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原子力規制委員会の国会同意人事について


政府は8月23日、新たに発足する原子力規制委員会の委員候補案を閣議決定しました。この人事案は8月初頭にまず読売新聞で報じられ、以降人選の可否をめぐり、メディアや国会で激しい議論が行われています。


議論の焦点は委員長候補である田中俊一氏が、果たして委員長として妥当なのかどうかです。氏が委員長に就くことに反対する議論を集約すれば、氏が長らく「原子力ムラ」にいた人物であり、委員長として脱原発依存に向け適切な原子力規制を行えるか疑わしい、ということだろうと思います。


政府はこの人事案を8月29日までに国会に提出し同意を求める模様です。そこでこの機会に私の考えを記しておきたいと思います。


私は田中氏をはじめとする委員全員に同意したいと考えています。以下がその理由です。


まず、田中氏がこれまで原子力発電についてどのように考え、行動しててきたのかです。反対論にあるとおり田中氏が過去「原子力ムラ」の人物であり、原子力産業から研究資金を受け取ってきたかどうか、数多くの報道を読んでも私にはYesともNoとも判断がつきません。報道が挙げる様々な事例をみても、過去の田中氏の行動、考えが原子力発電に関してどのようなものだったのか、確定的に判断できるものがないと感じます。


次に福島第一原発事故後の田中氏の言動です。事故直後に田中氏は他の専門家と連名で、今回の事故を防ぐことができなかったことに対する深刻な反省を表明しています。その上で故郷である福島県に入り、専門家としての立場から除染活動に尽力しています。同僚議員が福島の方々に伺ったところでは、この田中氏の活動には高い評価が寄せられているとのことでした。つまり田中氏の言動には、これまでのご自身の活動に対する反省と、それを踏まえた真摯な対応が見られると考えていいのではないでしょうか。人は反省に基づき改心ができます。僭越な表現ではありますが、もし田中氏が改心されたのであれば、私は同意を行う議員として、それを受け入れる寛容さを持ちたいと思います。


ところで今回の人事案をめぐり、田中氏も政府の要請を受けるかどうか、ご家族ともども大変悩まれたであろうことは想像に難くありません。その上で受諾することは大きな決断だったのではないでしょうか。一方、政府も人選をめぐり大変苦労しています。私の知人にも、今回政府から要請を受けながらこれを断った方がいました(私はその方が適任だと確信していたのですが)。つまり社会が期待する100点満点の人事案が仮にあったとしても、事故後の難局を前に、候補者が政府の打診を受諾するとは限らないのです。ここに国会同意を必要とする人事案の難しさがあります。


おそらく今後も原子力規制委員会や原子力関連機関の人事をめぐり、同様のことが起きるでしょう。そこでそうした事態を乗り越えるため、2つの提案をしたいと思います。


まず、国会に常設の委員会として、原子力発電問題を集中的に審議する場を設けることです(過去のブログにもその具体案を掲載しました。 現在この場を実現すべく有志による議員連盟が動き出しています)。そこで原子力規制委員会の活動を充分にチェックしてはどうでしょうか。先に提出された政府・国会事故調査委員会の報告書はいずれも、原子力関連機関に対する継続的な監視を国会に求めています。今回の人事案のように賛否が激しく交錯する場合でも、国会のチェックが委員に対し絶えず働くことで、委員会の活動に対する懸念は解消できるでしょうし、チェックを通して適任でないと判断された委員には、国会が自発的辞職を勧告することも可能ではないでしょうか。


次に、国会同意後、原子力規制委員は衆議院および参議院議長の面前にて宣誓し、就任することを提案します。国権の最高機関の長に対し宣誓することは、すべての国民に対して宣誓するに等しいと言えます。宣誓内容は「原子力の運用を民主、公開の精神に基づいて公正に行い、その安全を確保し、国民の生命健康および財産を守る」という趣旨になるべきでしょう。民主とは国会統制に服するという意味であり、公開とは情報公開です。原子力行政は、情報公開と国会統制の下で、国民一般の声に常に耳を傾けながら、科学的合理性に基づき公正に行われなければならないからです。参考までに、原子力基本法第2条では「基本方針」として、

「原子力の研究、開発及び利用は、・・民主的な運営の下に、これを行うものとし、その成果を公開し、・・」 と規定しています。

委員長等には宣誓が原子力行政の基本方針について確認し、国民に対し約束する場となるのです。


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