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月刊「文藝春秋」からのアンケート依頼

月刊誌「文藝春秋」編集部より、全国会議員対象のアンケート依頼がきました。「議院内閣制の争点」というテーマです。決定できない政治が続く理由はどこにあるのか?という趣旨での設問。とても興味深いテーマであり、また同誌は大学時代以来毎月欠かさず読んでいる唯一の雑誌なので、回答を認めてみました。以下がそれです。少し長いですがよろしければご一読ください。なお、このアンケート結果は10月号(9月10日発売)の特集記事でご覧頂けるようです。



参議院議員 風間直樹(民主党)



1 衆参の適正定数は?

衆議院、参議院とも現行規模が望ましい

以下にも記すように、政府を構成し、立法・法案審査を行い、行政監視を実施するためには現行規模の議員数が必要。



2 参議院を廃止し一院制にすべきか?

(2)そう思わない

有効な行政監視の観点から、二院制を維持すべきである。


わが国統治の根本問題は官僚支配である。明治維新以来、官僚制により近代国家を築いたわが国では、官僚が実質的に法律解釈権を有して閣僚答弁を作成するケースが多いのが国会質疑を通しての実感。また政治主導を目指した法律作成時(内閣法、内閣府設置法等:橋本政権)でさえ、条文上巧妙に総理大臣の省庁指揮監督権を希薄化するなど、行政の主導権確保に腐心している。これが官僚支配の実態。


一方で議会の二大機能は、立法と行政府監視。したがってわが国ではとりわけ、官僚による恣意的な行政運営をチェックするため、国会が政府(官僚)による誠実な法執行を監視する行政監視機能の強化が不可欠。例えば今回の原発事故や検察不祥事(村木事件、足利事件)等は行政機関による恣意的な行政運営の典型であり、23年度の参議院行政監視委員会では、これらの集中審議や最高検での検事総長面談を行っている。解散があり任期が短い衆院と比較し、6年の任期が保証される参院では腰を据えて行政監視活動を行える利点がある。よって二院制を堅持した上で、以下の通り両院の権能を明確化することを提案する。


すなわち、議員の制約(質疑時間制限、調査時間と調査スタッフの不足)を勘案すれば、両院の下に調査機関を置き、議員が質疑で行った指摘を調査機関が継続的に調査し、報告を行うことが、行政府による法の執行をチェックする上で効果的。例えば衆議院の下に「会計検査院」を、参議院の下に「人事行政監視院」を置き、衆議院はお金の観点から、参議院は人事・組織の観点から、それぞれ行政監視を行えば、両院の機能明確化とより質の高い行政監視が可能になる。「人事行政監視院」は、現在の人事院と総務省の行政評価局(800名規模)を移設すればよい。こうした努力により、国民の基本的人権が官により侵害される事態はもとより、不要な独立行政法人や特殊法人は一掃され、税金の有効利用が促進されるなど、政治の風景は大きく変わると考える。



3 首相公選制に賛成か反対か

制約された総理の省庁指揮監督権を強化する目的では賛成。

ただし、公選により首相の権限は強大になるので、国会の行政監視機能拡充が不可欠。

また選出に際しては、米国大統領選挙のように各都道府県単位で1年間以上かけて予備選挙を行うなど、候補者の適正を有権者が十二分にチェックする機会が不可欠。



4 決定できない政治、その原因は何か?

原因は次の2点。

■衆参の「ねじれ」

小選挙区制による二大政党制と日本国憲法(59条)には親和性がない。そもそも、大選挙区制もしくは中選挙区制の下での多党制と、戦前の貴族院に類する参議院を想定した日本国憲法は、二大政党化し、かつ党議拘束が強い両院を前提に書かれていない。そのため96年に小選挙区制が導入され、その後政権交代可能な二大政党が出現した際、59条2項の再議決要件により国会がねじれることは必然だった。日本のように国政選挙が極めて多い国(2000年から2011年までの間、7回)では、政党執行部には選挙での勝利が絶えず求められ、執行部は対決姿勢を取らざるを得ず、国会での合意形成は困難になる。よって小選挙区制を維持するなら再議決要件を過半数に改正することが必要。それに伴い弱くなる参議院権能は、上記提案で強化できる。


■憲法、内閣法、内閣府設置法上の総理による各省指揮監督権の弱さ

憲法72条および内閣法6条では、総理大臣による行政各部の指揮監督権を明示・保証していない。

例えば野田佳彦衆議院議員は衆議院内閣委員会(96年6月11日)でこの点を確認しているが、「内閣総理大臣が内閣の意思にかかわりなく総理大臣単独の意思決定により行政各部の指揮監督を行うことを可能にする法改正は憲法上問題がある」と法制局長官は答弁している。

また内閣府設置法は本来総理の権限強化を目的に制定(99年)されたにも関わらず、内閣府の目的は総理を助けることではなく、「内閣の事務を助けることを任務とする」(3条)とされる等、肝心の総理の指導権について全く記されていない。これは官僚による意図的な条文作成と思われる。


こう考えると、決定できる政治を実現する鍵は「誰が総理になるか」に勝るとも劣らず、憲法59条2項の改正、72条および内閣法・内閣府設置法改正による総理指揮監督権の強化など、法制度の改革にある。

なおこの改正により総理の権限は強くなるため、それを監視する議会の行政監視権限強化も先述の通り重要。


以上

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