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国会質問レポート

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【注目のトピックス】2/8 国民生活・経済に関する調査会での参考資料・・・その1


2月8日に開かれた国民生活・経済に関する調査会では、「世界経済の課題と日銀金融政策の問題点」について質疑を行いました。

河村小百合参考人(日本総研研究員)からの示唆に富むご意見と、その際に配布された資料(その1)を公開いたしますので是非、ご一読ください。

 

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○参考人(河村小百合君) 日本総合研究所の河村でございます。本日は、このような機会を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。
限られた時間でございます。要点かいつまんでお話しさせていただきまして、私に与えられたテーマ、この国民生活・経済に関する調査会の中で金融、特に金融政策というふうに認識しておりまして、日本銀行の現在の金融政策運営が抱える問題点についてお話しさせていただきたいというふうに思います。
あと、質疑応答の時間もおありと伺いましたので、できるだけグラフ等を御覧いただければと思って資料をちょっと多めに用意しておりますが、どうぞ御覧いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。(資料映写)
順にお話ししてまいりますが、まず、今、我が国で行われている政策運営がどのようなものかということですね。それから次に、今行われている金融政策、二つの側面がございます。黒田総裁の就任時の最初からやっている量的・質的金融緩和というもの、主として国債、あとはETFなどを多額に買い入れるものが一つの側面。それから、もう一つの側面は、去年から入ったマイナス金利の部分ですね。これ、両方やっています。マイナス金利になったから大量の資産の買入れやめたわけではございません。その影響は残っております。この影響を二つに分けて御説明をさせていただいた上で、そして簡単に、よその国どうなのか、よその国だってやっているじゃないか、よその国は平気なんでしょう、日本とどう違うのかというところを簡単に御説明したいというふうに思います。
それからその最後に、このままいくと、今ちょっと日銀がいろいろ言っていらっしゃることを考えると、何かまだこのままあと一年ぐらい行っちゃいそうな感じがしなくはないんですが、そうなったらどうなるのか、どういう点を国会の先生方に御認識いただきたいかということについてお話しさせていただきたいというふうに思います。
じゃ、次、御覧くださいませ。まず、この国で今行われている政策運営がどういうものかということでございます。
四ページのところを御覧ください。今この国の経済の状態、総じて言えば、本当におかげさまでというか、良好な状態、いい状態だと思います。悪くないと思います。雇用情勢も良くなりました。もちろん、いろんな問題はあります。だからこそここの調査会が設営されていて、もちろん格差の問題とかだってあるし、いろいろあるわけですよね。でも、それはもちろんそうなんですが、全体として見れば危機じゃないですよね。危機じゃない、危機じゃない、そうじゃない。だけど、唯一良くないのが物価指標だと。このグラフで御覧のとおり、なかなか、二年で二%ということで始められた異次元緩和、量的・質的金融緩和ですが、こういう結果になってしまっているということでございます。
そして、次の五ページのところ、大胆な金融緩和をやって人々のインフレ期待を押し上げるという話だったんですけど、実際にはそのようにはなっておりません。大事なのは、これ指数化したグラフでお示ししておりますけれども、このマネタリーベースのところ、青い線ですね、ここのところ、青い線のところがぐっと上がっていますけれども、本当にマネーサプライが、金利がある世界であれば、指数化していますので、信用乗数倍というふうにいいますが、この青い線よりも更に上回ってばあっと伸びるはずなんですが、伸びません。これはゼロ金利のときに見られる特徴でして、これは二〇〇〇年代に日本銀行が量的緩和、福井総裁の時代にやって、初めて世界で分かった事実でございます。
そして、足下の、じゃ財政運営どうなってしまっているのかというふうにいうと、なかなかちょっと大変なんじゃないかなというふうに思います。一時期よりは、東日本大震災の直後とかよりはもちろん改善してきました。税収も伸びました。だけれども、客観的にちょっと離れて見れば、新発国債を三十何兆円まだ出す状態ですよね。これというのは、後の世代への新たな負担の追加のツケ回しです。それ以外に、借換債は本当にたくさんの額がぐるぐるぐるぐる毎年借り換え直して回っております。そういう悪い財政状態を抱えながら、どうも国全体として、もう本当に国民、私たちを含めて、危機感って全然ない感じがするんですよね。これはもう、正直申し上げて、日銀がたくさん国債を買って無理やり金利を押し付けている金融抑圧の状態ではないかと、そして事実上の財政ファイナンスが行われている状態ではないのかなというふうに思います。
もちろん私も、これが日本の財政法で禁じられている財政ファイナンスには当たらない、ちゃんと日銀は直接政府から引き受けてはいない、マーケットというか市場をワンタッチ通しているということは、もちろんそのとおりだと思います。当事者にも、日銀にもそういう意図はない、そういうことをトップの方がおっしゃっていると。だけれども、やはり客観的な事実の影響が相当はっきり出てきているんではないのかなと。事実上の財政ファイナンス、歴史的な経験どおりの効果。やっている間はなかなかみんな気分がいいんですね。軍需景気、いいですよね。そういう状態です。今だって、景気そんなに悪くはない。だけれども、影響というのは今はないんです、後です。後でどういう影響が出てくるかということを今日これからお話をしてまいりたいというふうに思います。
じゃ、次に参ります。
じゃ、量的・質的緩和の恐ろしい副作用というものがどういうものがあるかということなんですけれども、世の中でいろいろ言われていること、先生方よく御存じだと思いますけれども、国債の価格形成がゆがめられている、市場流動性が落ちている、あと一年たったら日銀が買える国債がなくなるとか、政府の財政規律がゆがんじゃうとか、マイナス金利が入った後は、民間銀行の利ざやが圧迫されて、保険や年金の資産運用は大変になってしまった、企業も退職給付債務の負担大変だ、もちろん全部そのとおりです。これもう全部大変な影響です。だけど、ここに抜けている一番大事な影響があると思います。それが次のページです。
よく言われるのは、私もエコノミストの端くれなんですけど、そういう方々よく言われたりとかということがあると思いますが、日銀の量的・質的緩和には出口はないとさらっと言われちゃう。出口はない、さらっと言って終わりにしちゃいけないんですよ。じゃ、どういう事態に陥るのかということを是非御認識いただきたいというふうに思います。
最大の問題点は、今日これから御説明してまいりますが、中央銀行である日本銀行の財務運営。日本銀行って銀行なんです。民間の銀行と一緒です。バランスシートを立ててやっております。その財務運営が決して持続可能ではないという点です。そして、この国の歳出は、私たち国民の代表である先生方、国会議員の先生方が国会で法律を作ってお決めになる、予算も通してお決めになるものなのに、国会が何もまだお決めになっていないうちから、先々大変な財政負担が掛かってきかねないようなそういう政策運営が今続けられてしまっております。
これは、じゃ財政負担もうもらわなくていいよ、ならいいよということになったらそれで済むかというと、そうじゃない。金融政策運営が制御不可能状態になってしまうんじゃないかということが強く懸念されるというふうに思います。そして、そういう傾向は足下のマイナス金利でも増幅されている状況にあるというふうに思います。
転機が訪れるとすればいつかなんですけど、このまま何となくこの国は、何となくこのままゼロ金利、マイナス金利で永遠に行きそうな感じに、空気になっていますよね。そんなこと決してないと思います。いつ変わるか。変えたくなければ変わらずに済むか、そんなことはない。やっぱり一番怖いのは、この国は単独では生きてはおりません。世界経済の中でたくさん貿易をし、世界で稼がせてもらって生きております。その中で世界の情勢が変わっている、これにどうか是非御注意いただきたいというふうに思います。
じゃ次に、量的・質的緩和、国債の多額の買入れ等から生じる問題点のところを御説明させていただきたいというふうに思います。
十ページのところを御覧ください。昔やっていた金融政策運営と今やっている金融政策運営の違いというのをまず簡単に御説明したいと思います。
昔やっている金融政策運営ですね、もう日本だとはるか前なんですけれど、白川総裁の時代にもちょっとやっていたんですが、基本的に、金融市場、銀行同士が取引する市場には全体としての余り金はありませんでした。お金足りている人と足りていない人がいた、だから金融取引が発生するんです。お金足りていない人が足りている人に貸してよと。都銀は、貸出先がいっぱいあるけれども、貯金がなかなか、それだけ預金が入ってこない。だけど、地銀さんは、貸出先ちょっといまいちないかもしれないけど、たくさん地元の方が貯金持ってきますよね、持っているでしょう。そこを調節する場がインターバンク市場だったんです。ところが、今は日銀がたくさん国債を買ってしまったおかげで、国債を日銀が市場、民間銀行から買うということはその対価としてお金渡しますから、対価として渡されたお金をたくさん民間銀行、持たされちゃっているんです。
次ですね、日銀の昔のバランスシートを見てみます。二〇〇〇年末、これ御覧ください。このバランスシートは、これからよその国も含めて同じ色の塗り分けで出てまいりますので、よく御覧ください。
日本銀行のバランスシート、資産に国債持っていますね。右側の負債のところ、発行銀行券、私たちのところに、手元にある一万円札とかあれですね。あの発行銀行券、金利付きません。これが大半。そして、民間銀行が預ける当座預金というのは、準備預金制度というのがあって、義務的にお客さんから受け入れた預金の幾らだけ預けろというのがありますから、ちょこっとだけ預ける、必要最小限しか預けない、これが普通の姿です。緑の幅はちょぼっとです。
どうぞこれを覚えておいていただいて、じゃ今どうなのかというところを御覧ください。十三ページでございます。
これは、二〇〇〇年代の福井総裁の頃ですね、量的緩和をやっていた終盤の頃の日銀のバランスシートの絵が左側でございます。そして、右側が最近。これ、きちんと縦の長さを金額に応じて書けばもっと右側を私がぐっと長く書かなきゃいけないんですけど、そこまでできていないのはちょっとよく御理解ください。この緑のところ、上がっておりますよね。緑のところ、福井総裁の量的緩和の時代、当座預金、さっきのやつよりは大分増えていますけど、まだまだ大したことないですね。
これは、当時、銀行券ルールというのを守っておりまして、このベージュの国債のところが、特に長期国債が右側の発行銀行券の範囲内でしか買わないことに、そこまでで止めておこうといったことで、この当座預金に見合う左側のオペレーションの残高がありました。ちょっとテクニカルな話で恐縮ですが、これがありましたので、当時は、二〇〇六年三月、量的緩和やめましょうと決めたら、三か月でこの余剰資金、この緑のところですね、さっと回収できたんです。買入れ手形のオペレーションを満期落ちさせればいいと、テクニカルにはそういうことになります。
ところが、今、全然違いますよね、様子が違う。というのは、この緑のところに対して水色はこれしかない。ということは、もし日銀が急にこれをやめると言ったって、吸収できるお金は本当に限られていて、この緑のところがたくさん残っていってしまう。要するに、お金じゃぶじゃぶの調子がずっといつまでも続いちゃう、これが最大の問題点ということだというふうに思います。こんなに国債たくさん持っていて、じゃ、もう売っちゃえばいいじゃん、買っているんだから売っちゃえばいいじゃんと簡単に売れるか。金利が上がる局面で売れるかというと、なかなか売れない。
次の十四ページ、御覧ください。今、日銀が公表しているところ、市場金利が一%上がったら、日銀が被る国債の含み損は二十・六兆円。ええって感じですよね。まさか全部は売らないですけど、一%上がったところで幾ばくか売れば、もう兆円単位の損失が日銀にのしかかるということは、売ってこのバランスシート縮小はできないということは、もうしようがないから満期まで持っていて、満期が来たところで借換えには応じないで放していくというやり方でしかできないんじゃないのかなというふうに言われています。
しかしながら、そんなことをやっていても結局いつまでたっても引締めができないんですね。いつまでもゼロ金利でいいか、それもう金利ゼロでいいか、そんなこと絶対まずいんですよね。じゃ、どうするかというので、これはちょっとアメリカが生み出したやり方なんですけど、日銀って基本的にどこの中央銀行も負債のところに利息は払わなかったんですが、この当座預金に利息を付けましょうということで、余り金が世の中にじゃぶじゃぶ出回らないように、基本的に〇・一%の金利を付けて日銀の中に囲い込んでいます。それを引き上げることで何とか乗り切っていこう、これはアメリカが今やろうとしていることです。
日銀は、今部分的にマイナス金利、階層方式といって、このうちのごく僅かなんですが、マイナスにしたりゼロにしたりしていますけど、この大部分に〇・一付いているのは変わりません。これから先の最大の問題は、これから、じゃ、いずれ正常化させざるを得なくなって、バランスシートの縮小には時間が掛かる中で引上げ誘導をしていくときに、日銀、こちら側、国債、こちら側に付いている金利幾らなのということなんです。
これ、大変恐ろしいことに、日本ってこれまで超金融緩和状態がずっと続いてきてしまいましたから、この十七ページの各国との国債金利の比較のグラフ御覧いただくと、日本ってもうずっと低いということは、こういう金利が付いている国債しか日銀って持てていないんですよ。全部計算した結果が十八ページです。今、日銀が持っている資産に付いている運用資産の加重平均の利回り〇・三一七%、国債は〇・三%。金利を〇・五%に引き上げるだけで逆ざやになってしまうという世界、大変なことだというふうに思います。
それに対して、十九ページのところ、日銀の自己資本、全部でこのところ七兆円ぐらいしかありません。先ほど御覧いただいたバランスシート、三百兆とかの当座預金があって、それが一%の逆ざや、繰り替えれば毎年三兆円が飛んでいく。これから先どうやっていくのか、七兆円しかないのにどうするのかということだというふうに思います。
次に、じゃマイナス金利の御説明させていただきます。
マイナス金利をやってどうなったかということなんですが、基本的に短期金融市場が完全に潰れた状態になってしまいました。二十二ページのところは短期金融市場の残高をお示ししたものです。これ、グラフよりも数字で御覧いただいた方がいいというふうに思いまして、こちら、無担コールの方はちょっと戻していますけれども、かつてよりは相当落ちていますし、御覧ください、有担保コール、もう一桁減っちゃいましたね、もう死んじゃった感じですね。
付いている金利がどうかというところ、二十四ページのところを御覧ください。もう本当に有担保コールは金利なんか付かなくなっちゃった。青息吐息の金利が無担保コールも付いておりますね。政策金利は今マイナス〇・一ということになっていますけど、そんな金利はとても付いてはいない。代わりに、日銀が無理やりマイナス金利で買い入れている国債の五年、十年、二十年、こういう金利御覧ください。特に五年のところ、これが実はオーバーナイトの金利よりも下がっているような、そういう状態になっています。
これ、政府にとっても、マイナス金利で国債も発行できて、利息払わなきゃいけないのに逆にお金もらえちゃうなんて、何か国がもうかったかななんて、そんなに甘くどうぞお考えにならないでください。これ、どういうことかというと、すごい高値で日銀が国債買い入れますと、これ日銀が資料で出している表ですけれども、例えば百十円で買いますよね、高値ですよね。だけど、満期来たときに財務省理財局が償還してくれるお金というのは百円しかないんです。十円損するんですよね。その十円損する分というのを一気に、例えば十年後に満期が来たときに解消するんだととても間に合わないからということで、毎期均等に償却しています。実は、その損がたくさん出ています。
次の二十七ページのところのこの償却額のところを御覧ください。日銀の決算上は、受入れ利息から差し引く形で示されているようですけれど、足下、恐ろしいですね。もう一年間で八千億とかってその償却の損がかさんでいて、どんどん食い潰されているような状況です。非常に日銀の収益、足下、今だってもう大分危なくなっております。
じゃ、よその国との比較ということを簡単に次申し上げます。
アメリカも似たような金融政策運営やってきました。リーマン・ショックの後でございます。バランスシートの姿を見ると、こちら三十ページのところ、先ほどと同じような色分けにしております。左側の絵はリーマン・ショックの前の段階、FEDも健全な状態のときには、預金機関の預金というのは、緑はこんな細くしかなかったというところでございますね。それに対して、今、足下、年末の数字を持ってまいりましたが、これだけ増えている。
ですから、FEDはやはり買った国債とかMBSぱっと売れないのは日銀と一緒です、売却損かさみますから売れないので、満期が来るのを待って、いずれ将来、まあもしかしたら来年ぐらいからかもしれませんけど、減らしていくと。その間はここに付けている金利を上げることによって今対応している。その一回目の利上げが一昨年の十二月にあって、二回目の利上げがこの前ありまして、今〇・七五ですね、そういうことをやっております。
FEDの政策運営、日銀と違うのは、こういう政策運営が中央銀行としての自らの財務運営に影響があるということを、買入れをやっている最中から、正直にきちんと議論をして国民に説明をしてきたことでございます。
三十一ページのところは、二〇一三年ですね、FEDが国民向けに出したディスカッションペーパーの数字で、財務省への納付金を示しております。実際の推移は、これはその後と違っていて遅れているので、あっ、今と違うなと、それはそのとおりですが、こういう形になるということで十分参考になると思います。納付金、御覧ください。FEDのような政策運営をやってもゼロになりますよね。納付金がゼロになる、それぐらい。ここの部分、赤字ですね。これ、FEDは、繰延資産といって、先の利益、自分のところの先の利益を先食いする形で会計上何とか乗り切る。まさか、ゆめゆめ連邦財務省から何か損失補填してもらうなんということは制度上もあり得ない、そんなことするつもりはない、だけれども、きちんと説明しながらやっている、そういうことでございます。
トランプさんが出てこられてアメリカの金融情勢は変わってまいりましたね、市場金利も上がってきたと。これからどうなるのかということなんですけれども、今、FEDは短期金利の引上げ誘導を順番にやっております。これがいずれかの時点で、それが二%に達したところか三%か分かりませんけれども、資産の満期が来たところで手放す、資産の縮小を始めてまいります。
この三十四ページのグラフは、ニューヨーク連銀が出している見通しのグラフだけではなくて、アメリカの市場参加者の見通しも示しています。これ去年の夏の時点ですので、もっと前倒しにこれからなるかもしれませんが、民間の市場参加者も含めてみんなが思っていることは、近い将来、二〇一八年頃から三年ぐらいを掛けて、今四・五兆ドルあるFEDの資産を二兆ドルぐらい放す、二兆ドル放す。すごいですよ、一ドル百十円と考えたら、二百二十兆円の国債をFEDが放す、そういうことをやる。それぐらい大胆なことをやってくるつもり、それを民間も認識している、それがアメリカの金融政策です。それぐらいのことをできる覚悟じゃなければこんな量的緩和なんかやっちゃいけないんですよ。アメリカはそういう覚悟でやっています。誰も市場金利の上昇を恐れてはいません。
次に、時間がありませんので、ECBのところお話ししたいというふうに思います。
ECBは、債務危機がございましたので、大変厳しい政策運営、迫られました。だけれども、この三十六ページのところにありますように、債務危機、ギリシャの破綻とかございましたね、大変でしたけれども、そのときは国債は買い入れなかった、民間銀行経由での支援にとどめて、バランスシートを一方向で増やすことはいたしておりません。
最近になってデフレの問題がありますので国債の買入れを始めましたけれども、日銀とは違うマイナス金利政策をやりまして、順序を変えたりいろいろやり方を変えて、先ほどから問題になっているような超過準備、極力増やさない政策運営していますので、済みません、先のところ、三十九ページ、これ、先ほどからのバランスシート、右側が最近のECB、左側が今の日銀です。日銀が緑のところがこんなにあるのに対して、ECBちょっとですね、すごく賢明な慎重な政策運営をしている、いつでも後戻りできる、後々財務負担がかさむとか金融政策運営が制御不可能になるということはあり得ない、そういう政策運営が行われています。
ほかの中央銀行については、四十ページの上のグラフ、御覧ください。資産規模に表れていますが、もちろん、リーマン・ショックの後、皆さん結構資産規模を増やした、けれどもせいぜいGDP比二割から三割ぐらいだと。もう増やしたって今のECBみたいにやっぱり戻すとかという例もありますし、どれぐらいやっぱり慎重な政策運営が行われているか、一つ一つを細かに御説明できませんけれども、さっきECBで申し上げたようなああいう政策運営がどこの国でも行われている。そういう中で、ほぼ一人突き抜けて増やしている、それでまだ増やし続けると言っていらっしゃる中央銀行がある、それがこの国の中央銀行です。この現実を御覧ください。
このまま突き進むと何が起こるかというところなんですけど、昨年の九月に総括的な検証というものがございました。今までマイナス金利でいろいろマイナス影響があったとかと認められたところはあったと思うんですけれども、今私が御説明してまいりましたような一番恐ろしいと考えられる副作用、財務運営への影響、これは完全に政府の財政運営に影響を及ぼさざるを得ないと私は思います。それについては一切触れることがなかった。これは本当に問題なんじゃないかなというふうに思います。
どうしてそこまでして二%の物価上昇にこだわらなきゃいけないのか、そこまでしてやらなきゃいけないのか、私にはよく分かりません。実際にこの金融政策がそれになかなか効果がなかったということは総括でもある程度は認められているわけですね。そこは本当に理解できないというふうに思います。
次のページ、四十三ページ。ところが、日銀の中でも、例えば中曽副総裁とか木内審議委員とか、やはり私が申し上げたような先々の問題ということを言っていらっしゃる方あるんですね。だけれども、実は、実際の総括ではどうも封印されちゃったような形になっております。
執行部とかほかの審議委員の中には、長い目で見れば必ず日銀は通貨発行益でもうけられるから、昔のような負債ゼロ%に戻ればもうかるから大丈夫だとおっしゃる方もいるんですけれども、これ私がかなり遡って日銀の納付金ばあっと拾ったもので、かつてはすごい何兆円と稼いでいた時代もあった。だけれども、これ足したって本当に取り戻せるような額なのか、やはりそれぐらい深刻なんじゃないのかなというふうに思います。
次のところ、四十五ページ、最後ですけれども、今後あり得る展開というのは、いずれ日銀が逆ざやに転落する、そして場合によっては債務超過になる。今の日銀法というのは財政補填できないということになっておりますね。ですので、そういう中でどうなるのか、もう国会でも先生方に議論をしていただかなきゃいけない状態になるんじゃないかなというふうに思います。
今日はもう一つ資料御用意しておりまして、先週ありました日銀の総裁記者会見の要旨、こちらの方をお配りしております。こちらの九ページのところを御覧ください。済みません、ちょっと時間が過ぎておりますので。
これ、記者の方が質問していらっしゃるんですね。私が今お話し申し上げたようなところ、日銀のバランスシートについて、ちょっと線が引いてありますけれども、実際に試算が出ていると、日銀のOBの方がされた試算で、例えば中央大学の藤木先生たちの御試算、出口から十五年間、日銀の収支は赤字、最大六・二兆円の赤字が発生。慶応の深尾先生、一定の前提の下で、損失がトータルで八十兆円。これについて総裁に、読んだことがおありになるか、荒唐無稽かどうかというふうに聞いていらっしゃいます。
それに対するお答え、十一ページのところ、これ読みますね。この場は、記者会見での金融政策決定会合の結果を御説明してそれに対する御質問を受ける場であり、演説の会場ではありませんので、おっしゃった点については特にお答えするつもりはありませんと。
今この国で起こっていることはこういうことです。私が今御説明したことというのは、今出てきた試算とほとんど合うと思います。これに対して、説明責任、出口について明らかにしてくれということはここにいらっしゃる先生方何人もが国会で聞いてくださっている。で、答えが多分ないですよね。でも、ここで分かるのはもっと恐ろしいことです。金融政策決定会合でこれ議論をしていないということを明らかにされたと思うんですね。これは怖いことです。
一億の国民、私たちの国民が同じ飛行機に乗っています。外の景色はきれいです。景気は悪くない。だけど、先に乱気流がある。飛べば飛ぶほど乱気流、高いところに近づいていくのに、コックピットの中はそれに対しての議論をしていない。これが現状じゃないかなと思います。是非、この点、先生方によく御認識いただければというふうに思います。
済みません、時間をオーバーして申し訳ございません。私からは以上でございます。よろしくお願いいたします。

 

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