参議院議員 風間直樹 公式ホームページ

国会質問レポート

Report

2018.2.21 憲法審査会 討議


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【議事録】

○立憲民主党の風間直樹です。
本日は、憲法九条について、党の見解を踏まえて私の意見を述べたいと思います。
立憲民主党は、安倍総理の九条改憲案には反対です。後法は前法に優越するという法解釈の基本原則により、九条一項、二項の規定が空文化しかねません。この場合、自衛隊の権限は法律に委ねられ、憲法上はいわゆるフルスペックの集団的自衛権行使が可能となりかねません。よって、自衛隊を憲法に明記することは安保法制の追認となることから、反対です。これが立憲民主党の基本的な立場であります。
その上で、今日は、総理案に対して疑問を述べたいと思います。これは私自身の疑問であります。今日は委員間の意見交換ということですので、率直に疑問を述べたいと考えております。
私は、自衛隊を憲法に明記することについて、日本の国家主権を守るという点から懸念を持っています。それはこういうことです。
昨年十二月の当審査会で私が述べましたとおり、我が国の安全保障法制は米国との多数の密約の上に構築され、それら密約は現在もなお密約であります。これは先生方御案内のとおりであります。したがって、九条、安保条約、地位協定、それぞれの条文の意味するところが、国会審議を通じて、戦後、今日に至るまで明らかになっていないおそれがあります。
私はかつて外務省の政務官を務めましたが、膨大な密約があるゆえに、恐らく外務省の当局、あるいは高官でさえその全体像を把握しているのだろうかという、そんな心配に駆られることすらあります。
例えば、かつて国会でも取り上げられた自衛隊の有事の指揮権に関する密約、吉田茂総理が米軍司令官と二回にわたって口頭密約を結んだことはかねて指摘されてきましたが、最近の米国公文書の機密解除により、米軍司令官の有事の際の自衛隊に対する指揮権は、一九五二年二月二十五日、日米行政協定第二十二条に関する密約として日米で合意されたことが明らかになっています。これは米公文書に基づくものです。
また、米統合参謀本部は、一九五一年十二月十八日に国防長官に宛てた機密文書の中で、戦時には極東米軍司令官が日本国内の全ての軍隊を指揮するという見解を示し、統合軍という概念が行政協定の根幹を成すと述べています。統合軍とは、米軍と自衛隊を一つの軍隊とみなし、その全体を米軍司令官が指揮するという統一指揮権の存在を前提とした概念とされ、日本政府の文書ではこの統一指揮権が統合司令部という表現で記されることが多い現状です。
米国公文書が語るこうした事実を踏まえた場合、総理が主張される憲法への自衛隊の明記はどのような意味を持つのでしょうか。総理の主張が実現した場合、安保法制の下、自衛隊が武力行使を目的に海外派遣され、その指揮権を内閣総理大臣ではなく外国軍の司令官が持つという事態になるおそれはないのでしょうか。これが私の懸念であります。
皆様お気付きのとおり、これは我が国の主権に関わる重大問題です。自衛隊への指揮権を名実共に内閣総理大臣が持たないのであれば、日本は主権国家ではありません。我が国は自主も独立もないことになります。
前回の当審査会でも述べたように、米国は、終戦前から九条の案文を検討していたこと、しかも日米地位協定、安保条約、九条をパッケージで構想し、戦後日本の安保体制の青写真を作成したことが最近の研究で判明しています。
多数の密約ゆえに日米間の合意事項がつまびらかにならず、パッケージとして構想された安全保障の法体系とその条文の意味するところが必ずしも公にならない中、今日まで積み重ねられた国会論戦は、主権国家の安全保障を議論をする上で必要な情報と事実を得ておらず、不十分だったのではないかと懸念をいたします。
米国が構想した戦後日本の安全保障体制の俯瞰図と意図を把握した上で、地位協定、安保条約、九条のパッケージで米軍が描いた安保法体系の全体像を捉える。国会がこれら情報を共有し、その上で九条を議論することが必要ではないでしょうか。
さきの審査会で参考人質疑を提案いたしました。改めて幹事会で検討いただきたく、お願いを申し上げます。
以上です。