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国会質問レポート

Report

2018.5.22 財政金融委員会 質疑


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https://www.youtube.com/watch?v=606As9QbVLU

 

【議事録】

○よろしくお願いいたします。
今の質疑を聞いておりまして、黒田総裁の御答弁とおっしゃる内容が二〇一三年に就任された当初と様変わりしたことに非常に強い印象を受けました。同時に、この場で前任の副総裁からも何度か御答弁をいただきましたけれども、既に退任をされましたが、この前任の副総裁がるるお話しになった目的、内容も現在の日銀においては大きく変更されたのではないかと、こういう印象を受けました。
今日は、新任の若田部副総裁にお越しいただいておりますので、まず若田部さんにお尋ねをしたいと思います。
報道を拝見しておりますと、若田部副総裁は更なる量的拡大を主張されているというふうに私は認識しているんですけれども、それで正しいのでしょうか、またその理由は何でしょうか、お尋ねします。

○参考人(若田部昌澄君) お答えいたします。
報道などでは、確かに更なる量的拡大を主張していると言われたことはございます。それは私が日本銀行の副総裁に就任する前の報道でございます。
現状において私がどのように考えているかということについては、現状で行っている政策をつぶさに吟味して、それでもって二%の物価安定の目標に達成し得るかどうかということについての検討を続けております。
現段階におきましては、現状での政策でもっての達成というのも可能であるのではないかという心証を得ておりますけれども、ただ、それは現時点での判断でございまして、その後の情勢の変化などを踏まえまして、現状の政策が適切でないならばそれに対する変更ということを考えるということもあり得るというふうに考えております。

○風間直樹君 若田部さんがおっしゃる政策目標というのは物価上昇率の二%という目標のことでしょうか。

○参考人(若田部昌澄君) それにつきましては、政府と日本銀行の共同声明を受けまして、日本銀行の政策決定会合において採択されている二%の物価上昇率を目指すという、この物価安定の目標のことを指しているというふうに考えております。

○風間直樹君 そうすると、今の黒田総裁の御答弁との間に若干その乖離を感じるわけですね。
今、大塚委員との質疑の中で黒田総裁の答弁、私なりに受け止めたものを整理しますと、まず、二〇一三年の黒田総裁の就任時の記者会見のときの写真を私再度確認をしてみたんですが、写真、パネルを掲げられましたね、総裁。あの中で四つの数字を出されました。二%、二年、二倍、二倍以上という四つです。まず最初の二%は、物価安定の目標は二%と。二年というのは、達成時期は二年を念頭にできるだけ早期にと。マネタリーベースは二年間で二倍。国債保有額、平均残存期間は二年間で二倍以上ということです。
〔理事三木亨君退席、委員長着席〕
先ほどの御答弁を聞いていますと、まず最後の二倍以上に関しては、現在はもう旗を下ろしたという趣旨の御答弁をされました。つまり、二〇一六年九月にイールドカーブコントロールに変わったんですと、さらに保有額八十兆円は単なるめどに変えたと、こういう答弁をされた。
それで、私は、黒田総裁の今の御答弁を聞いていまして、日銀が金融政策の目的を変えたんだなというふうに受け止めました。その結果、この政策目標実現のためのフレームワークも変えたと。
当初、黒田総裁が二〇一三年に就任されたときには、明確にこの物価安定目標の二%を掲げられて、それを二年を念頭にできるだけ早期に達成すると。その二という数字を四つ並べたというのに相当の意気込みが表れたわけですよね。ここに明確にコミットするんだと。
ところが、現在は、このコミットメントしたという発言を記憶されていますかという大塚委員の質問に対して、そこは曖昧な答弁をされましたけれども、事実上この物価安定目標の二%というのは日銀のレポートからも削除されていますから、これは下ろしたんだという認識を持ちました。
その上で、この金融政策の目的を、フレームワークを変えたのかなと私が理解したのは、総裁就任当初は、いわゆる合理的期待形成というこの学説に総裁御自身も相当これでいけるんだという思いを持っていらっしゃったんだろうと思うんです。つまり、物価上昇率を二%にして、消費を拡大して、賃金を向上させて、景気を拡大して、税収を増やすと。
ところが、二〇一六年の政策変更でYCCに変えられた結果、先ほどの総裁の御答弁を踏まえると、実質金利を下げて景気を刺激するということに変えたと、こういうふうに私は受け止めたんですけれども、総裁、こういう理解でよろしいですか。

○参考人(黒田東彦君) 従来から申し上げているとおり、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するというこの日本銀行の金融政策の目的は全く変わっておりません。これは二〇一三年の一月の政府との共同声明でもうたっておりますし、この政府との共同声明は、先日、政府との間でも堅持するということが確認をされております。そういう意味で、金融政策の目標、目的は全く変化していないということでございます。

○風間直樹君 私、ちょっとその御答弁は苦しいかなと思いますのは、この合理的期待形成学派というのは、一番根幹の理論に何があるかというと、まず物価上昇のこの二%なら二%という時期を国民に対して約束をする、そして人々の物価が上昇するかもしれないという期待に働きかける、ここが根幹じゃないかと私は感じますので、今の御答弁は少し弱いかなというふうに感じます。
総裁に重ねてお尋ねをしますが、今日、私の配付資料で、先ほど大塚委員も言及された保有国債の残存期間について出してありますけれども、今なお三月末の数字で七・六年。それで、これ、あれでしょうか、総裁の率直なお考えとしては、長期国債購入の拡大は物価目標を達成する上でその効果に限界が見られたという認識でよろしいでしょうか。

○参考人(黒田東彦君) そういうことはございません。あくまでも、二〇一六年九月の長短金利操作付き量的・質的金融緩和におきましても、実はその前の量的・質的金融緩和でも同様ですけれども、中長期の国債の買入れを通じて中長期の名目金利を引き下げると、他方で、物価安定目標へ向けての強いコミットメントを通じて物価上昇期待を引き上げると、両者が相まって中長期の実質金利が低下すると。そして、これが経済を刺激し、需給ギャップを縮め、現在のようにプラスの領域まで持っていって、賃金、物価が上昇し、二%の物価安定の目標に向けて進んでいくということを狙っておりまして、そういった全体の大きな枠組みは変化しておりませんが、現在の長短金利操作付き量的・質的金融緩和におきましては、金融市場調節方針という、言わば中間目標というか、中間の金融政策、金融市場調節に関する目標が、国債の買入れ額、年間八十兆円国債の保有残高を増やすというものから現在のイールドカーブというものに変わっておりますけれども、その手段としては依然として長期国債を買い入れていくということに変わりはございません。

○風間直樹君 もう一度お尋ねします、よく分からないので。この物価目標二%を達成する上で、そうすると、総裁は長期国債の購入の拡大に効果があったと、こういうお考えなんですね。

○参考人(黒田東彦君) 先ほど来申し上げているとおり、長期国債の購入を通じて名目長期金利を引き下げると、これは実際そのようになっておりますし、また予想物価上昇率も現時点では横ばいというところですけれども、一%前後というところでございますが、予想物価上昇率を引いた中長期の実質金利はマイナスで維持されておりまして、これが経済の拡大に貢献し、経済の拡大を通じて賃金、物価が上昇していくと、そうしたことを通じて二%の物価安定の目標が実現されるという全体のフレームワークには全く変更ございません。

○風間直樹君 終わります。

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