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国会質問レポート

Report

11/22 財政金融委員会 質疑


11月22日 財政金融委員会で麻生財務大臣に対し、大臣所信に対する質疑を行いました。

【You Tube リンク】

https://www.youtube.com/watch?v=kJGNMu-eEL0

 

【議事録】

○よろしくお願いします。
今日は、最初にアメリカのトランプ減税と日本のタックスヘイブン対策税制についてお尋ねをします。
先日、十一月十七日付けの日本経済新聞に関連の記事が出ました。ちょっと一部を御紹介します。アメリカが租税回避地に、トランプ減税の余波、日本企業にというタイトルです。
トランプ・アメリカ大統領による大規模な法人減税が日本の税制改正議論に思わぬ余波を及ぼしている。アメリカ法人税の実効税率が大幅に低下したため、単純な線引きではアメリカが日本のタックスヘイブン、租税回避地対策税制の適用対象になってしまう。財務省は与党と調整し、一九年度の与党税制改正大綱に回避策を盛り込む方向だ。タックスヘイブン対策税制は、企業が租税回避地を利用して法人税などの課税逃れを防ぐもの。現地の税負担率が三〇%を切ると、事業実体のない海外関連会社の所得は日本の親会社に合算して課税されると。
こういうことでして、トランプ大統領の減税で米国の法人税が報道では二二%前後になる、こういうことだそうですので、いろいろと私どもも確認やら問合せを受けることがあります。
我が国では外国子会社合算税制というものがありますが、これは、外国子会社を利用した租税回避を抑制するために、一定の条件に該当する外国子会社の所得を日本の親会社の所得とみなして合算し、日本で課税する制度ということです。平成二十九年度にこの合算税制が一部見直しをされたわけです。
それで、財務省にお尋ねをしたいんですが、この平成二十九年度改正の主要部分の中にこうあります。日本国の居住者あるいは日本の法人などが保有する外国関係会社の経済活動の基準で、日本の親会社の所得とこの外国関係会社の所得を合算するか否かを判断する。この経済活動の基準として、A、B、C、Dという形で財務省の資料には四つの基準が掲載されているんですが、この四つについてちょっとその本質は何かということを御説明いただけますでしょうか。

○政府参考人(星野次彦君) お答えいたします。
外国子会社合算税制の制度の中身の御質問でございます。
この制度におけます経済活動基準でございますけれども、これは外国子会社の経済活動の実体の有無を判断する基準でございます。例えば、ペーパーカンパニーに該当しない場合でございましても、これらの基準を満たさない外国子会社で租税負担割合が二〇%未満のものにつきましては、その所得の全てを親会社の所得に合算して課税されるといったような制度になっておりまして、今申し上げたとおり、経済活動実体の有無を判断するための重要な四つの基準というものがございます。
具体的には、外国子会社の主たる事業が租税回避に利用されやすいものかどうかを判断する事業基準、これが一つ。それから、外国子会社が主たる事業に必要な固定施設等を有するかどうかを判断する実体基準、これが二つ目。それから、三つ目といたしまして、外国子会社が自ら管理、支配、運営を行っているかを判断する管理支配基準。それから、四つ目といたしまして、外国子会社がその所在地国で主たる事業を行っているかを判断する所在地国基準、あるいは卸売業など一定の業種においては、主たる取引相手が関連者でないかを判断する非関連者基準。この四つの基準から構成されているものでございます。

○風間直樹君 ありがとうございました。
今の御説明要約すると、例えばアメリカならアメリカにアメリカの子会社、日本法人などが有するアメリカの子会社の事業所が物理的にある、まず存在していると。その建物があり、あるいはオフィスがありということですね、一つは。さらに、そこに、これ事務方のブリーフィングでもちょっと御説明ありましたが、役員なり従業員なりがいて、実質的な業務を行っていると。三番目、事業基準ということですが、そこで行っている主たる事業が租税回避に利用されやすいものではないと。結局のところ、アメリカのその会社で実質的に様々な事業上の判断、意思決定を行い、実質的な事業を行っているか否かを見ると、こういう理解をしたんですが、そういう理解でよろしいでしょうか。

○政府参考人(星野次彦君) おっしゃるとおりでございます。
この基準によりまして、外国子会社の経済活動の実体のある事業かどうかということを判断いたします。実体のある事業から得られた所得につきましては合算対象とはならないということでございますので、こういった基準によって実体の判断をするということでございます。

○風間直樹君 それで、先ほどの日経の記事ですと、財務省は与党と調整し、二〇一九年度の与党税制改正大綱に回避策を盛り込む方向だというふうに紹介されているんですが、これは事実なんでしょうか。

○政府参考人(星野次彦君) 今般、外国子会社合算税制につきまして、例えばこのアメリカの関係ですと、ペーパーカンパニー、一見して明らかに経済活動の実体がないペーパーカンパニーである場合には原則としてその所得の全てが合算対象となるわけでございますけれども、ペーパーカンパニーでありましても、企業の事務負担に配慮する観点から、租税負担割合が三〇%以上の場合には適用除外ということで現行制度はつくられております。これによりまして、従来のアメリカの連邦法人税率三五%の下では適用除外に該当するケースが多くを占めていたと考えられますけれども、今般、まさにトランプ税制によりまして連邦の法人税率が二一%に引き下げられたことによりまして、本税制の適用対象となるということが見込まれております。
こういった変化によりまして、アメリカにある日本の外国子会社につきまして、合算税制の対象になるのではないか、これがアメリカのビジネスにおいては、ペーパーカンパニーを保有しているそういった企業がかなり多く実態として存在をするので、どうなるのかといった御懸念の声がございます。
これを受けまして、三十一年度税制改正要望といたしまして日本の外国子会社合算税制に係る要望がまさに出てきているところでございまして、財務省といたしましては、外国子会社への所得移転を通じた租税回避を防止するという本税制の趣旨ですとか企業の経済活動の実態を踏まえまして、要望省庁とまさに議論をしているところでございます。
今の記事のような方向かどうかというのは、まさにこれからの検討いかんということでございます。

○風間直樹君 麻生大臣にちょっとお尋ねをいたしますが、例えば日本の銀行、大手金融機関の外国に所在する子会社のリスト等を見ますと、アメリカを始め世界の事実上の租税回避地にも数多くの子会社を都市銀行等持っているわけであります。
今回の日経の記事はその辺の実情を紹介したという部分もあるわけですけれども、この記事の最後に、日本企業が便宜上つくったペーパーカンパニーは米国内に大手商社一社につき数百社はある(日本貿易会関係者)とされるというふうに書いてあります。私もかつて総合商社に勤めておりましたので、確かに、一社につき数百社は米国内にペーパーカンパニーがあるというのは聞いたことがあるんですけれども。
大臣、どうなんでしょう、これから財務省と与党とでこの調整をして、こういった問題の回避策を党の税制改正大綱に盛り込むと紹介されていますが、ちょっとここで大臣のこの問題に関するお考え、お聞かせいただけますでしょうか。改正の方向性についても、哲学があればお尋ねしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) これは、いわゆるBEPS、ベース・エロージョン・プロフィット・シフティングの、例のBEPSの話の基本の基本の話なんですけれども、アメリカの税制というものが変われば、それに併せて日本と相手の法人税格差が出ます。そういったことやら何やらが出てきますので、これまでの基準だったらオーケーだったものが、今度は更にそれが、税率が二一%に下がるという話なので、今まで三〇超えていましたものが下がる、そうすると、その間にいたところの二十数%のところがその対象に今度はなってくるという可能性が出てくるんだということで、これは各社、そういうことであれば、それに合わせて自分の子会社、数百社のところ、それをどうやって調整するかというのは、これは各社が今からされていかれるんだと思って、それはその国の税制に合わせないと、その国に進出している以上、その国の税制に従うということにならざるを得ないんだと思っておりますが。

○風間直樹君 当然、これ日本からの税逃れを防ぐために、今回の米国の法人税改正に合わせて、日本における外国子会社の所得の把握が日本の当局ができないような事態は避けると、同時に、そこに課税逃れが発生しやすいような素地がもし生じるとすればそれを防ぐと、こういうふうに理解しますが、大臣、こういった方向でよろしいでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) BEPSの基本はそれを考えて、いわゆる、企業に限りませんけれども、そういった税金逃れというのは、個人のベースにおいても会社ベースにおきましても、いろんな形で外国にそれを移籍することによっていわゆるプロフィット・シフティングが起きないようにするというのが本来の目的ですので、そういったものに沿って、私ども、BEPSとして、これ一国でできる話じゃありませんので、今百何か国まで増えてきましたので、そこらのところと緊密に連絡を取ってきちんと詰めてまいりたいと考えております。

○風間直樹君 ありがとうございます。
最後に、ちょっと主税局長に確認なんですけれども、これ、平成二十九年度のこの合算税制の改正による類型化、どういう、じゃ、パターンがそれぞれのケースで整理されるのか、ちょっと私なりにこの財務省の資料を文章化してみたんですけれども、ちょっとそれで間違いがないかどうかを確認させてください。
まず、そもそも、例えば米国なら米国における日本法人が有する米国子会社の税負担率、米国における税負担率が二〇%以上であれば日本の親会社の所得とは合算されないと、これが大前提なんだろうと思います。その上で、恐らく五類型があろうかと。
まず一類型としては、経済活動の実体が米国にあり税負担率が二〇%以上であれば日本の親会社の所得との合算はされないと。二つ目の類型としては、同じく経済活動の実体が米国にあり税負担率が二〇%未満ならこれも日本の親会社との所得とは合算がされないと。つまり、経済活動の実体がアメリカならアメリカにあるのであれば、その税負担率のいずれにかかわらず日本の親会社の所得とは合算されないと、こういうことなんだろうと思います。三類型目としては、経済活動の実体がアメリカになく税負担率が三〇%未満であれば受動的所得を合算される。つまり、受動的所得ですね、自分で積極的に稼いでいない所得と言ったらいいんでしょうか。四類型目として、経済活動の実体がアメリカになく受動的所得のみで、かつ税負担率が三〇%未満であれば所得の全額を日本の親会社の所得と合算されると、これが四類型目。最後に、今主税局長言われたように、今回のアメリカの法人税制の改正に合わせて見直す部分という形に整理できるかと思うんですけれども、主税局長、それで間違いないでしょうか。

○政府参考人(星野次彦君) 今すぐにちょっと頭の中で整理ができているわけではありませんけれども、基本的には先生御指摘の考え方でいいかと思いますけれども、二十九年度の改正の趣旨自体は、それまでの外国子会社合算税制が、租税回避リスクをある意味外国子会社の外形でもって判断をする、会社全体の税負担率二〇%、いわゆるトリガー税制と呼んでいましたけれども、その未満かどうか、あとは会社としての実体の有無、それによって把握していたのを、先ほど先生からもおっしゃられたとおり、所得の種類、実際に外国子会社の個々の活動内容によって把握をして、それによってどのような課税をしていくかということを判断をしようというふうに変えたということでございます。
具体的には、ペーパーカンパニーについては会社全体を合算をする、そうでない場合には、二〇%のところで能動か受動かという具体的な事務作業をして所得を分けた上で、二〇%未満の租税負担率の会社の場合には受動的所得を合算するという、そういうふうに変えたということでございます。そう整理していただくのが分かりやすいかなと思います。

○風間直樹君 最後になりますけれども、この財務省と与党との調整、与党の税制改正大綱にどういった回避策が盛り込まれることになるのか、そこは注目をしたいと思います。恐らく、主税局長おっしゃったように、関係関連法人・団体からも相当多くの要望が来ていると思います、まさに現地アメリカとのビジネス活動に大きな影響を及ぼすことですので。結果としてどういう方向性が盛り込まれるか、それを拝見した上でまたこの場で議論させていただきたいと思います。
以上です。ありがとうございました。

 

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