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国会質問レポート

Report

2019.3.19 財政金融委員会 質疑


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https://www.youtube.com/watch?v=QzL8aQWDgRQ

 

【議事録】

○よろしくお願いします。
今日は最初に、この所得税法改正案の中で、今回導入が見送られたと言われていますが、金融所得課税について質疑をいたします。
手元に二〇一八年一月十六日、昨年ですね、日経新聞の夕刊の記事があるんですけれども、財務省の官僚たちが早くも二〇一九年度税制改正に目を向け始めた、次なる増税項目としてささやかれているのが金融所得課税の増税だ、消費税率を一〇%に引き上げるのに伴い導入する軽減税率の貴重な財源として見据えていると、税率五%上げの主張も出ていると、こういう記事が昨年一月に出ています。
今のところ、今回の所得税法改正案にもこうした内容は含まれていないわけですけれども、導入の可能性が報道されながらも導入に至っていないということで、これは主税局長にお尋ねをしたいんですけれども、現在そもそもこれ検討されているのかどうか、その辺からちょっと御答弁いただけますか。

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
金融所得課税につきましては、所得再分配機能の回復を図るために、平成二十六年に上場株式の譲渡益等に係る税率を一〇%から二〇%に引き上げたところでございます。これによりまして、高所得者ほど所得税の負担率が上昇する傾向が見られ、所得再分配機能の回復に一定の効果があったのではないかと考えております。
更なる金融所得課税の見直しにつきましては、再分配機能の回復という論点だけではなく、経済や金融市場への影響ですとか、貯蓄から投資へという家計の資産形成を促す政策目的との関係をどう考えるかといった論点がございまして、引き続き丁寧な検討が必要であるため、三十一年度税制改正においては金融所得課税の見直しは行わなかったところでございます。
ただ、三十一年度の与党の税制改正大綱におきましても、家計の安定的な資産形成を支援するとともに、税負担の垂直的な公平性等を確保する観点から検討することとされておりまして、これまでもこの関係については検討しておったところでございますけれども、今後とも総合的によく検討してまいりたいと考えております。

○風間直樹君 今、この導入に至っていない理由、大きく二つほどおっしゃいましたけれども、そのとおりなんだろうなと、最近の御時世を見ていますとね。
安倍政権の下で貯蓄から投資へという方針がありますし、我々非常に強く感じるのは、やはり日本の株式マーケットを、日経平均株価等をできるだけ堅調に上げていくという強い政府の意思を感じるわけであります。そうしたことを総合的に考えると、金融所得課税を今おっしゃったように二〇%から引き上げるという方向性は、現在の安倍政権の施策に水を掛ける、あるいは足を引っ張るようなことになりかねないので、私も、今主税局長おっしゃったことは政府の考え方としては確かにそうなんだろうなというふうに納得をするわけです。
それで、一方で、政府税調で様々な税制についての議論が非常に自由闊達に行われていると思いますが、政府税調でのこの金融所得課税に関する議論というのはどんな内容で行われているんでしょうか。

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
今御指摘のとおり、政府税制調査会におきましても金融所得課税をめぐる議論が行われております。御紹介いたしますと、昨年秋に、老後の生活等に備える資産形成を支援する税制の在り方という観点から、企業年金、個人年金等の年金税制ですとか、あといわゆるNISAなどの金融所得の非課税制度などに関する検討を開始しておりまして、その中で、金融所得課税につきましても、税率の具体的な事項についての議論までは至ってはおりませんけれども、所得再分配の観点も含めて検討が必要であるとの議論もあったところでございます。
いずれにいたしましても、格差が固定しない、あるいは許容し得ない格差が生じない社会を構築することは重要な課題でございまして、政府におきましては、金融所得課税も含めまして所得税の再分配機能の確保について検討を行っていく必要があると考えておりますし、今申し上げたような観点から政府税制調査会では更に検討を続けていくということになっているところでございます。

○風間直樹君 今、星野さんおっしゃったのは、要約するとこういうことでしょうか。年金税制ですとかNISA等に関して、その非課税というような話も政府税調では議論されていると、同時に、金融所得課税に関しては、税の再分配機能という重要な機能もあるので、その点も視野に入れながらこの金融所得課税については議論すると、こういう理解でよろしいですか。

○政府参考人(星野次彦君) おっしゃるとおりでございます。
先ほど御紹介しましたとおり、税負担の垂直的な公平性等を確保する観点から検討というのが一つの検討の軸として上がっているわけでございます。老後に向けた資産形成の中で、年金だけではなくてNISA等の金融商品についてもこれは検討の俎上に上ってくるわけでございまして、NISAの検討に際しては、例えば金融所得課税の税率水準をどうするかといったようなこととも密接不可分に関連してまいりますので、そういったことを一体的に検討する中で、先生がおっしゃるような所得再分配の議論、こういったものも含めて考えていくということになろうかと存じます。

○風間直樹君 今おっしゃったことは、私も日頃有権者と座談会などをやっていますと非常に強く感じるところでして、例えば、まず年金の税制ですね、結構不満の声を頂戴します。なぜそもそも年金に課税されるんですかという声です。
同時に、金融所得課税というのは、例えば我が党でもこの導入をすべきではないかという議論がされているんですけれども、私は実はそれはどうかなという目でちょっと見ていまして、といいますのは、この金融所得課税に慎重あるいは反対される方の結構な割合が高齢者の方々なんですね。つまり、株式譲渡課税、それから利子配当課税、こうしたもので老後の収入を得ていらっしゃる方々が結構な割合でいらっしゃる。ですので、ここについては、実はこの金融所得課税の税率を上げるということがイコール高齢者の皆さんの生活に直接影響を及ぼすということもしっかり視野に入れておかなければいけないんだろうと思います。
続いてお尋ねしますが、いろいろな政府関係の諮問会議や審議会の議事録を見てみますと、海外の税制の調査に出かけていらっしゃるようですけれども、政府税調などで海外の金融所得課税に関する調査をされた事例というのはございますでしょうか。

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
最近、政府税調で海外の事例を調べているというのは、むしろ納税環境といった電子経済化が進む中でどのような課税を行っていくかというようなことを中心に海外の調査を行っておりますけれども、ただ、おっしゃられた金融所得課税につきましても、これまで政府税調などではいろんな調査の蓄積がございます。そういう意味では、各国で導入されている金融所得課税と日本の税制を比較をして日本の金融課税についてどうしていくかというような議論になっております。
ちょっと御紹介をすると、日本は今、金融課税については分離課税を取っているわけですけれども、こうした課税を取っているのは、現時点で申しますとドイツやフランスでございます。アメリカ、イギリスなどは、これはいろんな所得を積み上げた上で、その所得の水準に応じて、何というか、区分課税みたいなものを行うという制度になっておりまして、若干立て付けが違っておりますけれども、そういった海外の事例も比較しながら政府税調では議論を行っているということでございます。

○風間直樹君 今御紹介いただいた海外の事例ですが、アメリカ、イギリスのように総合課税の枠の中で金融所得に対する課税を行う国と、それからドイツ、フランスのようにそれとは別に行う国という違いがあるわけです。
それで、いろいろ聞いてみますと、経済学では、主流派である近代経済学の通説として、一定の前提の下ではという条件を付けながらも、資本所得に対する税率はゼロにすべきと、こういう考え方が近代経済学の通説だそうですけれども、仄聞するところでは、我が国の政府税調あるいは財務省もこうした認識に立っているというふうに聞きますけれども、それはおおむね事実なんでしょうか。

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
申し訳ございません、資産に対する、あるいは金融所得に対する税率をゼロにしろというお話については、余りちょっと承知はしておりません。
むしろ、いわゆる二元的所得税という議論がございまして、勤労性の所得と資産性の所得は分離をいたしまして、資産性の所得については一律の課税をすることによって金融商品がかなり自由に組成されると、また、その売買について、いつの時点で行ってもマーケットをゆがめないという意味では、その一律の課税を資産性課税に行うということ、また、勤労性所得との間で例えば損益通算をしないようにその分離をするといったような、そういう考え方が一つの有力な考え方としてあって、そういう制度を採用している国はかなりございまして、日本もそういう考え方の下に金融関係の課税については二〇%の一律課税にしているということでございます。

○風間直樹君 分かりました。今後もこの二元的所得税の考え方を踏襲していくということでありました。
それで、昨年来のこの金融所得課税の税率引上げかという報道を受けて、民間の研究機関等でもいろいろと研究結果あるいは提言等が出てきております。
昨年、二〇一八年の三月に大和総研が発表した出版物、「金融所得、税率引上げ検討? 金融所得税率引上げは、富裕層課税強化にみせかけた大衆増税」というものがありまして、これによりますと、仮に金融所得税率を二〇から二五%に引き上げた場合、税収面では富裕層よりも中堅以下の所得税の増税の効果の方がはるかに大きくなる、金融所得税率引上げは富裕層の課税強化というよりは大衆増税の側面が強いと、こういう研究結果を出しているんですけれども、この金融所得課税の税率の引上げが非富裕層にかえって負担増となる見方については、財務省としてはどんな見解を持っていらっしゃいますでしょうか。

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
これは、富裕層、非富裕層を比べてみた場合、どれだけの資産をお持ちかということによって恐らく結果も違ってくるんだとは思いますけれども、例えば金融課税につきましては、先ほど御紹介しましたとおり、一〇%から二〇%への引上げを行っておるわけでございますけれども、その際に、例えば一〇%から二〇%のその課税の影響を、ある程度小規模の資産しか持っていない方に影響が及ばないように、NISA制度の例えば創設を併せて行うというようなことを行っておりまして、そこは資産に対する非課税制度みたいなものを組み合わせるということによりまして少額の資産を持っている方に対する配慮を行っていくというような、そこは全体制度をどのように構築するかということによって、何というか、影響も違ってまいりますし、制度の構築の仕方というのは議論があるところだと考えております。

○風間直樹君 この辺は十分いろんな検討をすべきだと思うんですけれども、今、我が国の財政難という状況の中で、とはいえいろんなところに支出が必要になる、福祉であったり教育であったり、様々な分野に支出が必要になると、軽減税率もそうかもしれませんが、その財源をどこから持っていくかということで、これは恐らく党派を問わず、金融所得の税率を上げたらどうかという議論は出ているんだろうと思います。
この背景にある考え方というのは私は幾つかあると思うんですが、まず一つは、金融所得というのは、株式の譲渡益であり、利子であり、あるいは配当だから、こういうものを受け取っている人たちというのは一定の資産を持っているんだろうと、だから、所得再配分機能の観点からもこうした層により課税をするというのは妥当なのではないかと、大体こういう思想があるように私は感じるんですね。
ただ、果たしてそうなのかなというのが実は私自身の思いでありまして、これ、この中で株式投資をやっている方がどれぐらいいるか存じ上げませんが、仄聞するところでは、この株式投資によって利益を上げる、譲渡益を取得するというのは相当容易ではないことだというふうに聞いております。同時に、利子、配当については、これも、収益を上げ続ける、そして同時に配当を出し続けることができる企業としての体力、財務体力を持っている会社の株に投資をすれば当然利子収入、配当収入が入ってくるわけですけれども、そういう会社を見極める目を持つということも私はなかなか容易なのではないんだろうなというふうに様々な実践者の方からの話を聞いて感じています。
それで、私自身は、こういう金融所得というのは一定の知的労働に対する成果という側面もあると思うんですね。つまり、ぬれ手にアワで、どこの会社に投資したからその配当が入りましたとか株価が上がってその譲渡益が入りましたということでは、恐らくそれほど簡単ではないんだろうと、そんなふうに感じています。
さらに、先ほど主税局長もおっしゃいましたように、今これだけ政府が、安倍政権、第二次政権の発足以降様々な努力をして、日経平均株価を言わば私は国策として上げる努力をしてきたと言っても過言ではないと思うんですけれども、そんな中で、例えば日銀が大量のETFを購入し、今、数多くの日本を代表する企業の筆頭株主が皮肉にも日本銀行という状況も出てきています。そういう中で、じゃ、金融所得課税の税率を例えば二五%に上げましたというときに果たしてどうなのかなと。日本の株式マーケット全体に対する影響ですとか、あるいは日本経済に対する影響ですとか、そういうものを総合的に勘案したときにこれが果たして日本経済にとってプラスの影響があるのかどうか、そこに私はいま一つ確信を持ち切れておりません。
それで、今触れましたこの富裕層の所得再配分について、ちょっと先ほどの大和総研のレポートから御紹介しますけれども、意外なことが書いてありまして、日本国民全体を母集団として、富裕層は〇・〇四%、年間所得百億円超は僅か十四名というタイトルがこの報告書の中には出てきます。
どういうことかといいますと、納税者数で見ると、株式譲渡所得が一億円を超える層の人数は五千五百九名で、株式譲渡所得の申告者の二・九%、申告納税者全体に占める割合は〇・〇九%である、合計所得が一億円を超える層の人数は全体でも一万七千三百八十二名で、給与所得者等の人数も加えると納税者に対する比率は〇・〇四%にすぎない、これは国税庁統計に基づき大和総研が試算された数字ということです。更に言えば、年間所得が百億円を超える層は申告納税者全体で十四名、株式の譲渡所得等の譲渡所得者で十三名にすぎないと。ですので、こうした観点からいうと、じゃ、金融所得課税の税率アップが果たして所得再配分機能に資するのかというのはどうなのかなということになってくるんだろうと思います。
ここまでいろいろとちょっとやり取りをさせていただきましたけれども、この辺でちょっと政治家同士の議論にさせていただきますが、麻生大臣、どうなんですかね、この所得税法の改正案の中でこれまで金融所得課税について政府として見送ってきていると、この辺の理由は、ざっくばらんなところ、どういった理由なんでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 金融所得課税の見直しという話を聞いておられるんだと思うんですけど、これは再分配機能の回復という論点というのはもちろん考えにゃいかぬところで、それに併せて、平成二十六年に一〇から二〇というのに倍に上げさせていただいたというので一応の回復というのは対応しているんだと思いますが、同時に考えておかにゃいかぬ理由は、やっぱり経済とか金融市場への影響というのをこれ考えないといかぬところでして、特に貯蓄というのに、日本の場合は現金貯蓄というのが、一千八百五、六十兆の個人金融資産のうち、いわゆる現預金というものが九百七、八十兆あると言われておりますので、そういった意味ではやっぱり、そういったために、およそ金利の付かないところに現金を預けているというものからもっと資産というものを考えにゃいかぬということで、貯蓄から投資というような関係から、いわゆる家計の資産形成を促すというのを政治目的という関係、こういったものを考えますと、私どもとしてはこれは引き続き丁寧な検討が必要だろうと思っておりますので、三十一年度の税制改正においてもこの金融所得課税の見直しは行わなかったんですが。
いずれにいたしましても、金融所得課税の在り方につきましては、三十一年の与党税制改正の大綱におきましても、安定的な資産形成を支援するとともに、税負担の垂直的な公平性を確保するという観点からも検討する必要があるとされておりますので、今後ともこの点につきましては総合的に検討していかねばならぬところだと思っております。

○風間直樹君 この金融所得課税二〇%、現行の数値で、以前の一〇%から二〇%に上げたということなんですけれども、その前に二〇%だったものを一度一〇%に引き下げているんですよね。それで、その後、おっしゃるようにまた二〇%に戻したと。一〇パーから二〇パーに戻した、まあ上げたんだから、今後また二五パーに上げても大丈夫じゃないかという、そんな声も政府内にあるやに報道では見ておりますけれども。
たしか、これ、一〇から二〇に戻したときというのは第二次安倍政権の誕生とたしかほぼ同時期で、それこそ日銀総裁が白川さんから黒田さんに替わって、例の二倍、二倍、二%という会見をされて株式マーケットが物すごく沸いた時期とほぼタイミングが一緒だったんじゃないでしょうか。私の認識違いますでしょうかね、主税局長。

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、この制度自体は平成二十六年に一〇%から二〇%に上げたということでございまして、当時の株式市場自体はかなりそういう意味では好調な状態だったというふうに認識をしております。

○風間直樹君 あのときのマーケット、すさまじかったんですよ、日銀の異次元金融緩和の始まりですから。もうマーケットは大騒ぎだったと私は当時の報道を見て感じた記憶があります。
今は、今後日銀が異次元金融緩和を店じまいしていく、畳んでいくと。先般、麻生大臣も二%余りこだわるのはどうかという趣旨の発言されていらっしゃいますけれども、そろそろ日銀も広げてきたお座敷を畳む時期に来ているんだろうなと。
そういう中で、ETF、保有ETFも、今後、購入からまた売却へと恐らく転じていくんでしょうから、そういう中で、この金融所得課税、税率を上げるのがいいのか維持するのがいいのか、この辺の判断は非常に重要になってくると思いますけれども、麻生大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) これは、風間先生、御存じのように、これは金融政策に関わる話なんであって、かかって、これは日銀の出口戦略等々について財務省の立場としてこれに対してどうのこうのと言うのはちょっと控えさせていただかにゃいかぬところだと思っておりますが。
いずれにいたしましても、少なくともこの金融緩和というものをやらないと、デフレによる不況というものを一九三〇年代から日本はやったことがありませんので、デフレがない以上、デフレ対策をやった人もいません。したがって、歴史に学ぶしか我々は方法がなかったと思いますが、いずれにしても、その中から金融緩和という方式を取らせていただきましたおかげでかなり金融が緩んだ。結果として、デフレ対策には大いになった。円も、対ドル交換レートが七十九円八十銭とかいうものから百十何円までドルの価格が上がり、円の価格が下がる等々、いろんな効果があって、企業にも影響を及ぼしたことは事実だと思いますが、それによって、私どもとしては引き続きデフレ対策と、正確には資産のデフレに対する対策だと思いますが、それにどうやっていくかというのにつきましては、今後、金融の政策に関わるところなので、これは黒田日銀総裁の専権事項だと思っております。

○風間直樹君 この税制の今後に関する話というのはなかなか政府側の皆さんも余りすぱっと物をおっしゃらないのかなという感じも今日したんですけれども、また引き続きこの話は議論させていただきたいと思います。
残りの時間で、ちょっと今日は外務省、防衛省に来ていただいていますので、日米地位協定における在日米軍基地の費用負担の問題について質疑をさせていただきたいと思います。
先日、御案内のとおり、アメリカ発で、トランプ政権が世界各国の米軍基地を置いている同盟国に対して、その費用負担を五〇%増加させるというような報道がなされました。それで、この話は国防長官代行が、これはアメリカ議会での発言でしょうか、一度、プラス五〇%ということを国防総省は取らないと、考えていないという発言をしたもので、鎮静化をしたところであります。私も、ああそうかと思っていたんですけれども、どうもこれ、報道を詳しく見てみますと、全然鎮静化していないようなんですね。
例えば、ここに、手元に、この三月十五日の産経新聞の報道がありますけれども、シャナハン国防長官代行、費用プラス五〇を否定という見出しなんですが、この記事の最後の方で、費用プラス五〇こそ否定したものの、一連の発言は日本やドイツ、韓国などの主要同盟国に対し、米軍駐留経費で新たな負担を求めていくことを示唆するものだというふうに書かれています。
それで、報道をつぶさに読んでみますと、今回の話はどうもホワイトハウス発のようでありまして、特にホワイトハウスの中でもトランプ大統領自身が提唱したという話のようであります。トランプ政権は国防総省に対し、米軍が駐留している国々にどれだけの額を要求すべきかに加え、米国と緊密な政策を取っている国に関し、経費負担をどこまで割引するかを算定するよう指示したと、これも産経の今年三月十日の報道でなされています。政権関係者が同通信に語ったところでは、トランプ政権は、こうした措置によって諸外国を米国の意向に従わせることを狙っているとしているというふうに書いてあるんですけれども。
まず最初に、この費用負担の規定が記されている日米地位協定、お手元に配付資料でございます。その二十四条についてお尋ねをしたいと思います。
二十四条の第一、ちょっと下線を引いたんですが、日本国に合衆国軍隊を維持することに伴う全ての経費は、二に規定するところにより日本国が負担すべきものを除くほか、この協定の存続期間中日本国に負担を掛けないで合衆国が負担することが合意されると。二項の方で、日本国は全ての施設及び区域並びに路線権を合衆国に負担を掛けないで提供しと記されています。
これ、日米間の安全保障に関する条約や協定の共通のパターンなんですけれども、まず最初の条文の一項で大枠、抽象的な大枠を記した上で、二項め以降でその具体的な内容を列挙していくというのが日米安保、日米地位協定に共通したパターンであります。
これもそのパターンでして、二十四条の一項では、要するにほぼほぼ合衆国が在日米軍に伴う経費は負担しますよと、ただ例外はありますよということを言っている、二項でその例外は何かということが示されていると、こういう理解をするんですが、今日は佐藤副大臣にお越しいただいていますが、副大臣、そういう理解で間違いございませんでしょうか。

○副大臣(佐藤正久君) 風間委員にお答えいたします。
御指摘のとおり、経費の分担に関しまして、日米地位協定第二十四条は同一条において、日本に米軍を維持することに伴う全ての経費は、同二条により日本国が負担すべきものを除くほか、米国が負担する旨を規定しているというふうに理解しております。

○風間直樹君 今日は佐藤副大臣と鈴木防衛政務官にお越しいただいているので、ちょっと具体的なやり取りをさせていただこうと思うんですけれども、佐藤副大臣は就任されてもう結構長くていらっしゃるように感じるんですが、どれぐらいでしょう。鈴木政務官はどれぐらいでしょう。

○副大臣(佐藤正久君) 留任いたしましたので、一年数か月という状況だと思います。

○大臣政務官(鈴木貴子君) 私は、昨年の十月に防衛大臣政務官を拝命をいたしました。

○風間直樹君 お二人は今まで、在任中でも、あるいは在任中以外でもいいんですが、在日米軍基地幾つか回られたことは、視察で回られたことはあるでしょうか。もしあれば、どの基地、合計何か所と御答弁いただければ有り難いんですが。

○副大臣(佐藤正久君) 在日米軍基地は、訪問したことは副大臣としてはないというふうに思います。ただ、グアム島の米軍基地は訪問したことはございます。

○大臣政務官(鈴木貴子君) 私は、視察という形ではなく、移動中の際に入間であるとか三沢の方に立ち寄ったということはあります。

○風間直樹君 意外と、日本の国会議員あるいは政務三役で、これだけ在日米軍基地の問題が国会では議論されているんですけれども、視察に訪れる方というのは多くないように思うんですよね。
麻生大臣もいらっしゃいますけれども、例えば麻生大臣それから鈴木副大臣は、これまで国会議員として、あるいは政務三役ですとか、麻生大臣の場合は総理、外務大臣も歴任されていますけれども、在日米軍基地の視察というのは何か所かされた御経験ございますでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 余り数えたことありません。五、六回、もっとあるかな、結構長いことおりますので。

○副大臣(鈴木馨祐君) 記憶の範囲では、岩国には伺っていますけれども、そのぐらいかなと思います。

○風間直樹君 それで、恐らく今後アメリカ側からこの在日米軍基地の費用に関する様々な話も来るかもしれませんので、我々政治家同士でこういう場で議論する機会もあると思うんですが、今日時間がありませんので、是非、今日いらっしゃる政務の皆さん、まあ麻生大臣はもう何か所も行かれているということですが、ちょっとお時間を見て、是非主要基地に足をお運びいただければ有り難いと思います。
なぜかというと、私、何か所か回ったんですけれども、ほぼ全ての在日米軍主要基地は旧日本軍の施設をそのまま使っておりまして、それも相当の要衝をほぼほぼ米軍が押さえています。これを見ると見ないで在日米軍基地の費用負担問題の議論というのは随分違ってきますので、今日は質疑の最後にそれをお願いして、明日また引き続きさせていただきます。
ありがとうございました。

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