参議院議員 風間直樹 公式ホームページ

国会質問レポート

Report

2015.5.14 財政金融委員会 質疑


【You Tube リンク】

https://www.youtube.com/watch?v=Hi4BMbnWFJU

 

【議事録】

○よろしくお願いします。
今日は、最初に日銀の岩田副総裁に日本の金融政策についてお尋ねをいたします。その後、会計検査院の天下り問題について質疑をいたします。
まず、日銀ですが、日米の金融政策、現在取っている金融政策の違いについて質疑をしたいと思います。
我々、日常、新聞を読んだりニュースを聞いていますと、日本もアメリカも、そしてヨーロッパも量的緩和という似たような金融政策を同様に取っていると、こういう報道を目の当たりにするわけですが、一口に量的緩和と報道では言っていますけれども、その実態は実は非常に大きく違うんじゃないかというのが今日の質疑の眼目であります。その点を岩田さんにお尋ねをしながら確認をしていきたいと思います。
さきの前川委員の質疑の際に拝見しておりまして、非常に岩田さんの答弁が長いと。大学の講義はそれでも結構なんですが、国会の質疑はそれぞれの委員の持ち時間がございますので、できれば一問当たりの御答弁を二分以内をめどにまとめていただければ有り難いと思います。
今日の質疑を第一弾として、今後もこの質疑を続けてやりたいと思います。
まず最初の質問ですが、日銀の現在の金融政策、この目的は何でしょうか。また、そのために取っている手段は何でしょうか。

○参考人(岩田規久男君) 日本銀行の目的は、日本銀行法の二条に書いてありますが、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資するということを理念として金融政策を運営しております。現在は、物価の安定の目標を、消費者物価の前年比上昇率二%ということになっております。そのための政策として量的・質的金融緩和と言っているので、要するに、量と質と両面で金融政策を行っているという点が特色であります。
量としましては、もう政策金利はほぼゼロになっておりますので、量としてはマネタリーベースを大幅に増やすということであります。そのための主たる手段が長期国債を大量に買っていくということであります。
もう一つは質の面で、今までの例えば二〇〇〇年代の量的緩和と違う点は質の面であります。これは、買い入れる国債の平均残存期間を延長して、現在は七年から十年ぐらいになっておりますが、それからETF、J―REIT、これは前の白川総裁の時代にも買いましたが、それをもう少し増加したということであります。
この量、マネタリーベースという量と、そのマネタリーベースを増やす手段として買う資産が長期国債であったりリスク性のある資産であったりという質の両面でやることによって、例えば国債の金利のタームプレミアムといって、長めのものはリスクプレミアムが大きいので、それを引き下げると、日銀が買うことによって。それによって短期から長期にかけての名目金利を全て押し下げるという、これはイールドカーブのフラット化といいますが、それと同時に、デフレマインドを転換して人々を緩やかなインフレマインドに変えていくと。それによって、実質金利を下げていくということによって設備投資などの民間需要を喚起するという手段を取っております。

○風間直樹君 今の御答弁を私なりに理解をすると、目的は、簡単に言えば期待インフレ率の押し上げによる物価の上昇と。手段としては、おっしゃったように、長期国債と日銀当座預金残高の増加によるマネタリーベースの飛躍的な拡大と言っていいんでしょうか、ということだと思います。
同様に、アメリカの連邦準備制度、FEDの金融政策、現下の目的は何であり、またそのための手段は何だというふうに岩田さんは御認識をされていますでしょうか。

○参考人(岩田規久男君) FRBの目的は、連邦準備法で、雇用の最大化、物価の安定、適正な長期金利という目標であると考えております。
それを実現するために、FRBは、政策金利の調整及び、ほぼやはり政策金利がゼロになりましたので、各種長期の、特に長期の国債やMBSといった長期のやっぱり資産をバックにした債券、それを買っているということであります。

○風間直樹君 先ほどの日銀の目的と手段の御説明に比べるとちょっと声が小さくなられたようでありますけれども、実は、日銀の今の金融政策の実態とFEDの実態、その中身についてのマスコミの報道、それから岩田さんを始めとする学界の皆さんの理解と解釈、これが随分その実像とずれがあるんじゃないかというのが私の認識であります。
どういうことかというと、日銀は今、超過準備、日銀当座預金の残高の増加というものを日銀の目標に掲げて、それを黒田総裁が会見の中で天下に公にされて、そして金融政策を進めている。一方で、FEDはそうはしていません。FEDが言っていることは、あくまでも長期金利水準を押し下げることによって景気を下支えすることが彼らの目的だというふうに言っているわけであります。したがって、日銀との大きな違いは、この超過準備、当座預金残高の増加を目標に掲げているか否かという点、これが大きいと私は理解をしています。
この点についての岩田さんの御理解をちょっと確認をさせていただきたいんですが、お手元の配付資料の一枚目を御覧ください。
これは、二〇一二年の経済研究所年報という冊子に岩田さんが書かれた論文であります。その中で特に私の目を引いた部分に傍線を引っ張りました。ここにありますように、岩田さんはこう書いておられます。リーマン・ショック後、FRBはデフレでないにもかかわらず、デフレを絶対に阻止するために、マネタリーベースなどの流動性を大量に供給した。一方、そのFRBの金融政策を見ている日銀、これは二〇一〇年頃から一二年頃の日銀のことを指していらっしゃるわけですが、デフレが続いているにもかかわらず、マネタリーベースなどの流動性の供給量をほとんど増やそうとしなかった。この日銀の行動は、FRBなどの世界標準の金融政策の理論と大きく懸け離れた日銀理論の存在を知らなければ理解できない行動である、こうはっきり書いていらっしゃる。
ただ、これ、二〇〇〇年以降の日銀の取ってきた金融政策と二〇〇八年リーマン・ショック以降のFEDが取ってきた彼らの金融政策の実情を見ていると、本当にそうなのかなという疑問を感じるわけです。例えば、バーナンキ議長以下、二〇〇八年当時のFRBの幹部はこう言っています。〇一年から〇六年の日銀による量的緩和アプローチには効果がないと言明している、後ほど詳しく申し上げますが。岩田さんの認識と全く違うんですね。
ですから、私は素朴な疑問を抱きました。もしかしたら、世界標準の金融政策理論と大きく懸け離れていると御自身がおっしゃっているそれは、実は岩田さん御自身の認識じゃないのかと。これからそのことを簡潔に述べたいと思います。
二〇〇〇年以降の日米の金融政策、簡単に振り返ってみたいんですが、まず、二〇〇一年から二〇〇六年まで日銀の政策は、もうこれは言うまでもなく、量的緩和、事実上のゼロ金利の下で日銀の当座預金残高の拡大を図ったと。現在の比ではありませんが、それでも当時にしては思い切った拡大を図った。でも、マネタリーサプライは伸びなかった、物価も上がらなかった。それを見ていたFED、リーマン・ショックの後、二〇〇八年からどういう金融政策を取ったのか。
私の手元に当時の、二〇〇八年十二月のFOMCの議事録があるんですが、そこからベン・バーナンキの発言、FOMCでの発言を引用したいと思います。
日本のアプローチ、量的緩和アプローチは、つまり〇一年から〇六年に取った日銀のアプローチは、中央銀行のバランスシートの負債側、特に準備預金やマネタリーベースの量に焦点を当てたものだ。その理論は、銀行に安いコストの資金を大量に配ることで、彼らが貸出しを増やし、それが広範囲にマネーサプライを増加させ、物価を押し上げ、資産価格を刺激し、経済を刺激するというものであると。バーナンキが言うとおりであります。続けて彼はこう言っています。量的緩和政策に関する私の評決は極めてネガティブだ。私には大きな効果が見えなかった。それゆえ我々は、FEDですね、量的緩和策とは異なる政策を議論したいと。
つまり、岩田さんが先ほどのこの配付資料で書いていらっしゃるのとは全く異なって、日銀の例を踏まえて、我々アメリカの金融政策当局は、ゼロ金利制約の下ではマネタリーベースを幾ら増やしてもマネーサプライは伸びないんだと、物価は上がらないと判断したんだと、こう言っている。この判断によって彼らがアメリカの金融当局として目標に掲げたのは、物価の上昇ではなくて長期金利の水準の押し下げによる景気の下支え。つまり、配付資料の傍線引っ張りましたこの①、岩田さんはデフレを絶対に阻止するためにと書いていらっしゃいますが、それでは十分ではない、長期金利水準の押し下げによる景気の下支えをするために、その手段として国債と住宅ローン担保証券の買入れを選択したと。同時に、ここが大事ですが、彼らは超過準備の増加は目標にしていないわけであります。
このバーナンキの発言の後で、ドナルド・コーン副議長、そして現在の議長でありますイエレン各氏がバーナンキ氏と同じ認識を示しています。つまり、彼らは、日銀によるマネタリーベースの量に焦点を当てる政策には残念ながら効果が見えなかった、それゆえアメリカは量的緩和策とは異なる政策を議論したいと、こうまで言っているわけですね。
この岩田さんの文章に戻るわけですけれども、このようなアメリカ側の議論を考えると、その後の日銀、二〇一〇年から二〇一二年にかけての日銀がマネタリーベースなどの流動性の供給量をほとんど増やそうとしなかったと、こう岩田さんは指摘されているんですけれども、それは当然じゃないのかというふうに思うわけであります。岩田さん、この点はどんなふうにお考えでしょうか。

○参考人(岩田規久男君) 今委員がおっしゃった、引用されたバーナンキの発言要旨、私、全く賛成であります。
つまり、二〇〇一年から二〇〇〇年代の六年までですか、の量的緩和というのはなぜ効かなかったかということですが、ある程度効いたという実は実証研究もあるんですけれども、デフレ脱却に十分でなかったというのはバーナンキの言うとおりでありまして、それはどういうことかといいますと、量としてのマネタリーベースというのを増やす、その手段ですね、手段が量的緩和の時代は短期の国債を買うんですね。それが中心なんです。
短期の国債はもうデフレの中ではほぼゼロになっていますので、日銀がゼロの短期国債を買って、その代金としてゼロ金利の日銀当座預金を金融機関に渡すわけですが、この行為はほとんど同じ資産の交換にすぎないために何ら経済に影響を与えないということです。そこをバーナンキは言っているわけなんです。
そこで、バーナンキは、もう既に短期国債とか短期の金利はほぼゼロになっている、しかしまだ長期金利はゼロじゃないわけですね。その場合には、長期の国債とかMBSのような、もう三十年物でありますとか、そういうものを買うことによって長期金利を引き下げる余地がまだあるんだという考え方です。ですから、我々も、バーナンキがやっているように長期国債を中心に買っているわけであります。
そこが量的緩和と今の量的・質的緩和の違いでありまして、この量的・質的緩和は、マネタリーベースもこのぐらい増やすよと言っておりますが、同じように、バーナンキがやったように、そういう長期の国債、そういった日銀当座預金とはリスク性が違う、リスクのもっと大きい、そういう資産を大量に買っているという点では、バーナンキがやったいわゆる政策と全く同じであります。我々の政策も、先ほど申しましたように、長期金利はやっぱり引下げ効果があるので引き下げるわけですね。
もう一つ、バーナンキはインフレを目標にしていないと言っていますが、二%のインフレ目標は、彼はもうインフレターゲット論者で昔から言っているので、それを目指しているわけです。
それでは、二〇〇八年のリーマン・ショック後、アメリカで何が起こったかと申しますと、実は、アメリカでも、今、ちょっと正確ではないかもしれませんが、ほぼ九か月ぐらい物価はマイナスで、いわゆる物価の下落が実は続いたんです。したがって、デフレリスクを感じていたわけです。
ですから、バーナンキがこれを始めたときに講演で、デフレは今絶対阻止するんだとやっぱり言っております。そのためにあれほど大きなやっぱり量的緩和をしているわけなんですね。量的緩和の仕方というのが長期国債だと言って、彼らはバランスシートの方の長期国債を強調する、その結果としてマネタリーベースが増えるんだという考え方です。ですから、マネタリーベースを増やす手段というのは非常にデフレ脱却に必要だということも同じであります。
それからもう一つ、バーナンキはマネタリーベースをしたり、こういうバランスシートを拡大してもインフレにならないと言っているじゃないかと言っていますが、それはどういうことかというと、実際に、二〇〇八年にはデフレの危険があったわけですね、マイナスに、実は九か月ぐらい物価上昇率は低下していますから。
その中で、やっぱり予想インフレ率、BEIなんかで見る予想インフレ率はアメリカでもやっぱり下がっているんです、今まで二%で安定していたのが。それを覆して予想インフレ率も上げ、物価を上げたのは、やはり最初の量的緩和だと思います。量的緩和というかバランスシートの拡大による量的緩和ですね。それによって、じゃ、いつまでもバランスシートをしてもどんどん物価が上がるかというと、そうじゃなくて、それは二%で予想インフレ率は安定し、物価も安定してくるということですので、日本銀行が今やっている政策はバーナンキがやっている政策とほぼ同じだとお考えください。
したがって、そのようにバーナンキは量的・質的緩和を評価しています。

○風間直樹君 こういう答弁を、これ大学の講義では通用するんでしょう、学生さんたちも従順で素直ですから。国会ではこういう答弁を詭弁と言います。
バーナンキはそんなこと言っていませんよ、議事録見ると、先生。ドナルド・コーンもそんなこと言っていませんよ。量的緩和アプローチには効果がない、だから我々は異なる政策を議論すると言っている。
先生は、それを御自身の論文の中であえて詳細に触れられず、つまり、この超過準備の点に触れられていない。このような文章を配付資料のように書かれることによって、その後、一三年の三月、副総裁に就任をされて、日銀の当座預金残高をその三月当月から飛躍的に拡大させていく、これをバーナンキ、肯定しているんですか、こんな政策を。それは先生、今おっしゃった御答弁と全く事実違いますよ。時間がないので、答弁結構です。
委員会でも繰り返し各委員から指摘が出ていますが、異次元緩和の出口ではこの超過準備への付利を引き上げるしか、そう誘導するしか手段がないだろうと。当然、日銀の利払い費はかさむわけであります。
この日銀の利払い費なんですけれども、現在の日銀が保有する国債の加重平均の利回り、これは何%でしょうか。

○参考人(岩田規久男君) 平成二十六年度の上半期ですが、国債の平均利回りは〇・四七三%です。

○風間直樹君 岩田さん、その数字は確かですか、〇・四七三。──分かりました。
そうすると、当座預金の付利が〇・四七三を超えると日銀にとって逆ざやが働いていくと、こういう理解でいいかと思います。つまり、そのときから我が国のこの金融の出口というのは非常な困難を極めることになるんですけれども。
岩田さん、今日は時間がありませんので、おっしゃりたいことはあるかもしれませんが、また引き続きやらせていただきます。ただ、今日、私、強調しておきたいのは、この超過準備を飛躍的に増やしていくことの是非、これを日米の金融当局間でどのような意見の相違があるのか、大きな相違があると私は思います。その点は今日強調しておきたい。
岩田さんにもう一点お伺いしたいんですけれども、この出口の議論、よくこの場に黒田総裁がお見えになっていろんな質問が出ますと、時期尚早という言葉を使われます。私は、もう逆に出口の議論を始めていないというのは遅きに失していると思いますけれども、日銀の金融政策決定会合では、委員の皆さんによって出口の議論はされているのでしょうか。

○参考人(岩田規久男君) 政策決定会合の内容というのは議事要旨でまとめられて、それ以上私が言うことはできないという建前になっておりますので、そこはお答えできません。

○風間直樹君 この議事要旨を見ますと、ほとんど言及がないんです。だから、私は今日お尋ねをしました。
日銀の幹部の中で、政策決定会合でこの出口の議論というのはまともにされていないんじゃないかということを私の疑問として今日は強調しておきたい。つまり、今、日本の論壇の中で盛んに議論をされている、現下の日銀の金融政策で本当に大丈夫なのかという懸念が肝腎の政策決定会合の場でどれだけ議論をされ、そして出口に向けた方策が検討されているのか、このことは甚だ不安であります。
続けてこの質疑をやらせていただきます。今日はこれで結構でございます。御退席いただいて構いません。

○委員長(古川俊治君) 副総裁、退席してください。結構です。

○風間直樹君 続いて、会計検査院のOBによる天下りの問題を取り上げたいと思います。この質疑は昨年の決算委員会、そして今年の四月の決算委員会に続いて三度目となります。
案外知られておりませんが、会計検査院のOBが退職後に毎年十人程度再就職をされています。検査院によりますと、これらは全て再就職者個人の努力によるもので、検査院のあっせんは一切ないとされています。配付資料の三ページ目と四ページ目が、平成十五年から平成二十六年までのこの再就職者の数であります。
前回まで私が行った質疑を踏まえて、何が起きているかということを簡潔に申しますと、まず、会計検査院のOBの再就職、私は天下りと呼んでおりますが、これに際しては、何と指定ポストと見られるケースが幾つもあります。配付資料の五ページ目でありますが、そこに書いてありますように、株式会社シー・アイ・シーに平成二十一年から二十六年までの間、二件、つまり二人ですね、それからヤマダ電機のグループ会社に五件、学校法人愛国学園に三件、それから公益財団法人日本財団に二件と。検査院は否定するんですが、これは常識的に見てOBの指定ポストだろうというふうに私は感じています。
次の、配付資料の六ページ目なんですが、これは、御覧のように、同じ方の名前が並んでいまして、その方が再就職した先の企業名が出ています。これは、複数ポストへの同一人物による天下りというケースです。この方の場合は、平成二十四年の三月末に検査院を退職して、同年の七月に天下りをしていると。世間常識で考えると、一人の方が退職に際して、自分の足でハローワークを回ってみたり、それまでの知己を頼って再就職先のポストを確保すると。頑張った結果、五社にあなた来てくれと言われたので、掛け持ちでいいかと聞いたら構わぬと、こういうことだから五社に再就職をしたというのが検査院の説明によるこの事例でありますが、そんなことが果たしてあるんだろうかという話であります。
それから、この天下りの話は去年の決算委員会で初めて質疑をしたわけですが、一年たって、今年の四月に同じく決算委員会でこの問題を取り上げましたところ、去年と違っていたのは、いわゆるキャリアの方の天下りが今年は減ったという事実でありました。配付資料の四枚目でありますけれども、この四ページ目の資料には、左側に上級甲採用職員数、まあキャリア、右側に乙と中級、初級の数字が出ていますが、この一番下、平成二十六年を御覧いただくと、キャリアの方の再就職が減ったという事実が見て取れると思います。
ところが、配付資料の七ページ目、これは政府から公表されている最新の退職者の再就職に関する報告なんですが、この検査院OBの再就職先を見ると一つの事実に気付くわけであります。それは、退職後、政府に再就職するケースが見られるということであります。これ、民間企業でもない、法人でもない、独法でもない政府に再就職をするというのはどういうことなのかなと疑問に思いました。
そこで、検査院にお尋ねをしますが、検査院OBのうち退職後五年以内に中央省庁に再就職した人の人数は、平成二十一年から平成二十六年まで何人でしょうか。

○説明員(田代政司君) お答え申し上げます。
国家公務員の再就職状況につきましては、国家公務員法第百六条の二十四等に基づきまして、管理職職員、すなわち課長・企画官相当職以上でありますけれども、これらの者が離職後二年以内に再就職した場合等において、その再就職情報について当該職員は届出等を行うということになっております。
会計検査院におきましては、元職員の再就職状況についてはこの制度に基づきまして届出等により把握しているところでありまして、これにより把握している範囲におきましては、平成二十一年から二十六年までの間に会計検査院の元職員であって国の行政機関に再就職した者は合計八名となっているところでございます。

○風間直樹君 分かりました。合計八名ということです。
会計検査院法は、検査院の内閣からの独立を定めているわけですが、この八名に代表される中央省庁への再就職は検査院があっせんしたものでしょうか。

○説明員(田代政司君) お答え申し上げます。
会計検査院におきましては、改正国家公務員法が平成二十年十二月三十一日に施行されたわけでありますが、それ以降、職員の営利企業等への再就職のあっせんは一切行っていないところでありまして、本人と再就職先との合意によって再就職したものと承知しているところでございます。

○風間直樹君 私が委員会の場でこういう質問をしますと、検査院があっせんしたんですかと聞くと、今のような御答弁が毎回繰り返し返ってくるわけでありますけれども、さすがに同一人物が五つも天下っていたり、あるいは複数の方が何回にも分けて行く会社あるいは法人が同じところであったりという事例を見ていると、今の御答弁はちょっと本当かなと思わざるを得ないわけであります。
この検査院OBの中央省庁への再就職に当たってですが、採用側の基準というのは何でしょうか。また、根拠法がありましたらそれも併せて教えてください。

○政府参考人(岩田一彦君) 委員御指摘の中央省庁へのということでございますけれども、内閣府とございます。内閣府の場合は、私、属しております内閣府の公益認定等委員会事務局にこの三名、採用してございます。
公益認定委員会事務局で採用してございますのは、公益認定法が作成されまして、旧主務官庁、つまり各省庁から離れた内閣府にこの委員会を置いて公平に中立的に事務をするということでございます。
公益認定委員会事務局におきましては、厳しい定員事情の下、事務の遂行をするに当たって必要な体制を構築するために、政策参与等の設置に関する訓令、内閣府訓令でございますが、に基づきまして、非常勤の国家公務員として政策企画調査官等を採用してございます。その中には、公認会計士や税理士の資格を有する者のほかに、国家公務員の退職者も含まれてございます。
事務局におきましては、公益認定法に基づいて委員会に属された審査、監督権限に基づきまして、公益認定等の申請に対する審査や公益法人の監督に当たって、事業計画や財務諸表等の審査、確認を行ってございます。
政策企画調査官は、常勤の国家公務員、職員でございます審査監督官の指示の下でその専門的な知識を生かしていただいて、補佐、サポートあるいは前さばきのような業務をしていただいてございます。
その採用に当たりましては、これらの必要な知識、特に必要な財務、会計等の専門知識あるいはその実務能力を有している者を全て公募によりまして選考しておりまして、その基準はホームページ等で明確にしてございます募集要領で示しているところでございます。その結果として、検査院を退職された方も含まれているということでございます。

○風間直樹君 先ほども言いましたように、検査院法では検査院の内閣からの独立を定めていると。
じゃ、なぜそう定めているかということを考えてみると、検査院という立場は、これ、中央省庁を始め独立行政法人等に会計検査を行うわけでありますから、検査を行う側の刀がさびてしまっては、当然、税金の使途が公正かどうかという適正な検査ができないと。この中央省庁を始めとする関係機関と、そして会計検査院の間に、間違ってもそうした癒着が起きることによって国民の血税の使途をゆがめることがないように、このように定めているわけであります。しかし、現状では、この検査院の独立というものに、今指摘をしたように実態面で大きな疑問符が付いているということだと思います。
私は、検査院の内閣からの独立が保たれているのかどうか極めて疑問でありますが、麻生大臣、今の質疑をお聞きいただきましたけれども、この点どんなふうにお感じでございましょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) これは、会計検査院というのは、会計検査院法に基づきまして内閣府から独立したいわゆる地位にあります機関ですから、これは厳正かつ公正にやる、当たり前の話だと思っておりますので、再就職につきましても極めて適切に行われているんだと、私はそう思っておりますし、国家公務員法のこれは多分再就職のあっせん禁止というのに多分のっとって行われているんだと思っておりますので。
会計検査院の職員の能力というのは、在職中に培われたものが必要とされているからということになっているんだと、私はそう思っておりますので、税務署に勤めていた人が独立して税理士になって会社に雇われているのがみんな怪しいかという話になっちゃうと、これは話が非常に込み入ったことになりますので、私は、そういったような話と同じような話で、勤めた先には今度勤めた先の倫理、きちんとしてやっていただけるものだというのはこれは当然のことだと思いますので、厳正な検査というのは当然のこととして、会計検査院は先輩がいようといまいときちんとやるということになる、むしろいる方が厳しくやられる可能性が高いかなと、私はそんな感じがしますけれども。

○風間直樹君 私も、去年この質疑を始めるときには大臣と同じ考えを持っていて、実は、非常に淡々と決算委員会ではこの質疑をやりました。
ところが、調べているうちに、今日この場で配付資料でお知らせした事実に気付いたわけでありまして、同一人物が五つも同時に再就職をしている、あるいは同じ会社に複数の人物が再就職をすると。果たしてこれ、厳正中立に行われていると言えるのかなというのが私が現在抱いている疑問であります。
今日は三回目でありましたけれども、この質疑は毎年淡々と、繰り返し検査院に対して行っていきたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。

  • 最近の投稿

  • カテゴリー

  • アーカイブ