2016.5.26 内閣委員会 質疑
- 2016年05月26日
- 国会質問レポート
【You Tube リンク】
https://www.youtube.com/watch?v=RM8WLT153Xo
【議事録】
○今日は、道路運送法の特例について、私から主として国交省の宮内政務官に質問をいたします。
この委員会で、この特例について様々な委員の皆様から質問が出てまいりました。衆議院の質疑、会議録も全て拝見しました。ですが、いまだにこの特例を設ける意味が私には分かりません。この質疑を聞いていらっしゃった多くの国会議員も腑に落ちていないのだろうと思います。
今日の新聞各紙に、トヨタ自動車がウーバーと提携をするというニュースが出ています。当初は車両をリースで提供するということと、それから共同でアプリを開発すると、この二点の提携だということなんです。
私、昨日、帰宅しましてからテレビをつけましたら、たまたまNHKの夜十時のBSのニュースやっていまして、非常に質が高いニュースなので私好んで見ているんですが、このトヨタの提携の話をキャスターが話していました。このNHKの報道によると、こういう表現をしているんですね。日本でも導入に向けた議論が既に始まっている、まずは過疎地を対象に実証実験をしていきますと言って、キャスターがにっこりと笑っていました。これが将来的には日本の交通状況、交通政策を大きく変えていく可能性があるという趣旨の報道でした。私は、この報道を見て、初めて今回の特例の意味がこういうところにあるのかなと腑に落ちた気がしました。
そこで、宮内政務官にお尋ねをしたいんですが、今回のこの特例というのは、トヨタ自動車がウーバーと提携をしたように、将来、我が国でいわゆるライドシェアリングを実施していくための環境整備なんでしょうか。その点、お尋ねをいたします。
○大臣政務官(宮内秀樹君) お答えをいたしたいと思います。
昨日のBSニュースを私は見ていないんですけれども、そのニュース自体は把握しておりますけれども、いわゆる今回の改正とライドシェアとの問題、今回のその特区の特例措置におけるライドシェアの問題とは全く別物であるというふうに考えておりまして、いわゆるライドシェアは、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としたものでもありまして、今回の国家戦略特区における特例とは全くその形態が異なるものであるというふうに考えておりまして、いわゆるライドシェア問題については、安全の確保、利用者の保護等の観点から多くの問題がありまして、極めて慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
○風間直樹君 そういう答弁をこの委員会でもこれまで政府が繰り返してきたわけですが、このNHKの報道も裏を取らずに報道しているとは思えないんですよね。過疎地における実証実験が始まりますということまで言っていますので、恐らくそういったところに今回の特例のやはり目的の原点があるのかなと感じています。
そこで、二、三ちょっと伺いますが、この国家戦略特区制度では、例えば産業の国際競争力の強化とか国際的な経済活動の拠点の形成というように、国際という言葉がよく付くんです。これは、この国家戦略特区において自家用有償観光旅客等運送事業を実施するために、主たる目的としてあえて外国人観光旅客というふうに明記をしたということでよろしいんでしょうか。
○副大臣(福岡資麿君) 委員御指摘のとおり、今インバウンドの急増等によりまして、全国津々浦々にその効果を広めることが観光立国の推進に大きく寄与するものというふうに期待されるため、あえて外国人観光旅客というふうに明示をしておりますが、これはあくまでも例示でございまして、委員御承知のとおり、今回はこれ、日本人観光客とかも除外しているわけではないということでございます。観光客一般の運送を主たる目的として規定されているというふうに御理解をいただければと思います。
○風間直樹君 今週号の日経ヴェリタスという新聞を読みました。これも大変高い質の記事がよく出ているので好んで読んでいるんですが、アベノミクスの通信簿が載っていました。これを見ますと、様々な政府の成長戦略の分野において、特に際立って高い得点をアナリストが与えていたのがこの観光の分野でした。円安が進んだということも背景にありますけれども、来日観光客の数が政府の当初目標にもう迫る勢いだと。
こういった記事を見ますと、やはり海外から日本に観光客に来てもらう、東京を始めとする都市部だけではなくて地方にも足を延ばしてもらう、こういう目的を達成する上で地方の交通の足の利便性をいかに高めていくかというその観点は非常に大事だと思うんです。
そういう観点からいうと、今回の特例がもし仮に将来ライドシェアリングのような事業を導入するに当たっての環境整備となるのであれば、この政府の成長戦略上、観光という分野においては非常に大きな成果を上げるのかもしれないと、私は新聞記事を読んで思いました。
そこで、更にちょっと詳しく伺いますが、今回の特例での主たる目的ですね、実質的な意義が何かということをちょっと伺いたいんですけれども、宮内政務官、この区域計画を定める国家戦略特別区域会議の場を活用することで、事実上、既存のバス・タクシー事業者それから住民等が参加する運営協議会等の合意を不要とすると、ここに目的の実質的意義があるのかなと感じているんですが、その認識で間違いないでしょうか。
○大臣政務官(宮内秀樹君) 今回の特例措置は、生活交通とは異なる観光客の移動ニーズに正面から応えるようにするものであると、先ほどからのやり取りのとおりでございますけれども、今回の運営協議会等の合意を不要とするために今回の特例措置を設けたものではないというふうに考えておりまして、なお、今回の特例措置に基づく輸送事業につきましては、市町村、それから当該事業の実施予定者及び既存のバス・タクシー事業者による協議を経た後でなければ国家戦略特区に係る区域決定に定めることができないというふうにしっかりと定めさせていただいております。
○風間直樹君 そうすると、政務官、もう一点お尋ねしますが、今回のこの事業の目的、特例における事業の目的というのは、運営協議会等の合意という手続がない場合でも問題なく支障なく自家用有償旅客運送が実施できるかどうかを検証することにあるのかなと私は思っていたんですが、そうではないということでいいんですか。
○大臣政務官(宮内秀樹君) 今回、我々国土交通省といたしましては、特に運営協議会を設けて、そしてその上で関係者がしっかりと協議をして、そして目的を共有して納得してやるということが極めて大切であるというふうに思っております。実態のところは、恐らく市町村がイニシアチブを取って、市町村の政策及びそれに対応するタクシー事業者がいないという状況の中で丁寧に合意を取っていただくということが大切だというふうに思っております。
○風間直樹君 次のお尋ねなんですけれども、宮内政務官、今年の二月十五日付けで内閣府の地方創生推進室が作成した国家戦略特区ワーキンググループからの指摘・確認事項、ここで、自家用有償旅客運送の登録は、地域の既存事業者を意思決定に加えるのではなく、区域会議の判断に基づき実施するものとすることとされていました。これに対して国交省は、既存事業者を意思決定から排除する仕組みは適切でないと考えると回答しました。しかし、その後、三月二日に国家戦略特別区域諮問会議が取りまとめた国家戦略特区における追加の規制改革事項等についてでは、決定手続について、法案と同様の内容となっているわけです。
この二週間で関係省庁間の調整ができたということだと思うんですけれども、何で国交省は考えを変えたんでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
今回の特例措置に基づく輸送事業、先ほど政務官申し上げましたけれども、市町村、当該事業の実施予定者、既存のバス・タクシー事業者による協議を経た後でなければ国家戦略特区に係る区域計画を定めることはできないということにされているところでございます。この協議は、持続可能な地域公共交通ネットワークの形成、輸送の安全性及び旅客の利便性確保を図る観点から行わなければならないと、これも法文に明記をされているところでございます。
こういった措置は、委員が御指摘になられたその二月十五日、私どもの方で国家戦略特区会議の事務局に提出をした資料にございますけれども、既存事業者を意思決定から排除する仕組みは適切ではないということを意見を申し上げたわけでありますけれども、まさにその意見を反映した形で今回の法案ができていると、そういった理解をしているところでございます。
○風間直樹君 宮内政務官にもう一回お尋ねしたいんですが、この組織体の話ですね、合意形成を図る。今までは当該市町村やその市町村にあるバス事業会社、また関連者といった運営協議会であったと。今後は合意形成を図るためには国家戦略特区会議、これが合意形成を図る主体となるということですね。
そうすると、先ほどの問いですが、事実上、既存の事業者あるいは住民が参加する運営協議体の合意が不要になっていくというふうなイメージを受けるんですけれども、そうではないんですか。
○大臣政務官(宮内秀樹君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、これ、大事なところは、関係者がよく話をして、そして納得をして、目的を共有して進めるということが大切なことだというふうに考えておりまして、まさに運営協議会というのはどうしても必要でありますということを強く申し上げさせていただいたわけでありまして、そのような手続を排除するということは全く考えておりませんで、大変大切な手続であるというふうに考えておるところでございます。
○風間直樹君 そうすると、今回のこの特例に基づく事業の結果次第では、この運営協議会等の合意、これを不要とする、事前手続が簡素化された自家用有償旅客運送について全国展開すると、こういったお考えは現状では全くないということでいいですね。
○大臣政務官(宮内秀樹君) 現行の自家用有償運送につきましては運営協議会等の場における関係者の意見調整の仕組みが適切に機能しているものと考えておりまして、この手続について簡素化するということは考えておりませんし、全国にこのようなインバウンドを中心としたお客さんが、今は全く行っていないところにそういう需要ができるということは有り難いことだとは思っておりますけれども、このことを積極的にどんどん進めていこうということではなくて、あくまでも地元の事情に応じて関係者が合意の上で進めていくということで考えておるところでございます。
○風間直樹君 私、気になっているのは、この費用、それから収益、この特例に基づく事業者が得る収益なんですが、例えば現行の自家用有償旅客運送、ここでは旅客から収受する対価の基準について決めています。燃料費その他の費用を勘案して実費の範囲内であると認められる等と決められているわけです。
〔委員長退席、理事相原久美子君着席〕
観光客の移動手段の提供を主たる目的とする今回のこの特例では、この点はどうなるんでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
今委員から御指摘がありましたとおり、現行の自家用有償旅客運送制度におきまして、旅客から収受する対価については、法令上、実費の範囲内であるとされているところでございます。このため、自家用有償旅客運送者は旅客から利潤を含めた対価を収受することはできない、よって、営利目的で運送を行うことができないように担保されているということでございます。
本特例に基づく事業についても同様に、旅客から収受する対価は法令上実費の範囲内であるということになりますので、利潤を含めた対価を収受することはできないというふうに考えております。
○風間直樹君 利潤は取れないということでよろしいですか。
○政府参考人(藤井直樹君) 今委員御指摘のとおりでございます。
○風間直樹君 普通、商売をしようという場合は、やはりこれは、この事業もうかると、自分もこの事業をすることで収入が入るというインセンティブが働いて新規の事業に乗り出すのが人間だと思います。
ところが、この特例では実費の範囲だから利潤は得られないと。そうすると、この特例に基づく事業を新たに始めようとする人にはどんなインセンティブがあるんでしょうか。
○大臣政務官(宮内秀樹君) 今回の特例の現場のイメージでありますけれども、本来であれば、利益が出るようなところのサービスであれば、恐らくそのままタクシー事業者がやられるということだと思うんですね。ところが、そのような状況にないと。しかしながら、市町村においてはインバウンドの観光客中心に頑張ってみたいという場合に、いらっしゃったときに対応ができない状況ではいけないじゃないかと。
そうすると、例えば市町村が補助を出すとか、そのようなことにより、あるいは市町村が主体となってやるケース、あるいはNPOが補助をいただいてやるようなケースが多分想定されるんじゃないかと思います。その上で、その対応がスムーズにできることによって地方の方の思うところに対応ができるという形だと思います。
〔理事相原久美子君退席、委員長着席〕
ですから、利益を目的としてやってくるほど多くの需要がある場合は、恐らくタクシー事業者がそういうことをやっていくということになるんじゃないかというふうに思っております。
○風間直樹君 何かこの法案が非常に小ぶりな、アベノミクスの成長戦略を担う法案としてはどうもその成果に乏しいようなイメージしか受けないんですね。政府がおっしゃるこの特例の目的が本当にそこに限定されるものであれば、これはどうなんでしょう、先ほどの日経ヴェリタスじゃないですけれども、アナリストの皆さんがこうした法案を採点する際に、その評価というのはどうしても低いものにならざるを得ないんじゃないかと。
何か成長戦略としてインバウンドを増やしていくんだと、その起爆剤にするんだというエネルギーは、この法案、この特例からは感じられないと思うんですが、これは石破大臣、どんなふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(石破茂君) これはいろんな御意見があって、これはライドシェアにつながるのではないか、そういうことを企図しているのではないかという御懸念もございます。今、国交省政務官からお答えいたしましたとおり、そのようなことを考えているものではございません。それとは全く違うものでございます。
ただ、いろんな御懸念があって、これで爆発的にインバウンドのインセンティブが高まるというようなふうには考えられないところではありますが、しかし、実際問題、お客さんが来ようと思っても全く運送手段がないというところがたくさんあり、そこはかえって悪循環に陥って、ますますそこが疲弊していくということが起こります。こういうことをやることによって、少なくともお客さんが来ても全く運送手段がないということからは回避されるということだと思っております。
ですから、これが爆発的にインバウンドが増えることになるとは思いませんが、しかし、一つのきっかけになることだけは確かだろう、それでお客様が増えていけば運送事業者がそこに参入するという環境も整うかもしれない。まずやってみようということだと私は思います。
○風間直樹君 この質疑を通して、この特例の主たる目的の事業的意義の確認、それから、この結果次第で全国展開する考えはあるのかどうか等伺いました。
いずれにしても、私がイメージしていたものと政府の答弁とは違うということでありますので、どれぐらいのその効果があるのか、まだ政府がおっしゃるこの特例の意義についてはちょっと腑に落ちない部分がある、それが正直なところです。
ちょっと時間の関係がありますので、同じ成長戦略という意味で、先般政府から提案がありましたスーパー独法に関する件、ちょっとこれ確認の意味でお尋ねをさせていただきます。
先日の質疑で、いわゆる物質・材料機構のスーパー独法昇格を議論しましたが、どうも先日、私これ質疑させていただいたときに、この一連の過程をめぐってちょっと政府の中に手続上の大きな問題があるんじゃないかという印象を受けましたので、その点をお尋ねします。
まず、これは政府委員にお尋ねしますが、物材機構のスーパー独法昇格を事務方が内定されたのはいつでしょうか。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。
今委員御指摘の事務方の内定というものが何を指しているのかというのが定かではございませんけれども、仮に物質・材料研究機構を特定国立研究開発法人の候補とすることを含む考え方についての案を固めた時点だと、こういうことで申し上げるならば、それは昨年の十二月十七日に開催された科学技術政策担当大臣等政務三役と総合科学技術・イノベーション会議の有識者議員との会合の場であるというふうに申し上げたいと思います。
○風間直樹君 それでは、総合科学技術会議、CSTIでこの物材機構のスーパー独法昇格を決定したのはいつでしょうか。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。
ただいま申し上げたその会合の翌日でございますけれども、総合科学技術・イノベーション会議の本会議が開かれまして、物質・材料研究機構を特定国立研究開発法人の対象法人の候補に決定いたしました。したがって、それは平成二十七年の十二月十八日でございます。
なお、政府が全体として物質・材料研究機構を特定国立研究開発法人の対象法人、候補ではなくて対象法人に決定したのは閣議決定でございまして、この法案の閣議決定を行った平成二十八年二月二十六日でございます。
○風間直樹君 この総合科学技術会議、CSTIの委員は先般の質疑で国会同意人事であるということでしたけれども、この委員の皆さんの報酬はお幾らでしょうか。
○政府参考人(森本浩一君) 総合科学技術・イノベーション会議の非常勤の議員につきましては、平成二十七年四月一日以降に新たに就任した者については、内閣総理大臣と協議して定められた日額三万七百円の手当が支給されております。ただし、平成二十七年三月三十一日から引き続き在職する者については経過措置が定められておりまして、その三年間の間については日額三万一千三百円の手当が支給されております。したがって、橋本議員につきましてはこの日額三万一千三百円の手当が支給されております。
○風間直樹君 これ笑い話ですけれども、先般、官邸での経済状況に関する会議、確認の会議で有名なノーベル経済学賞受賞者がお見えになったときに、その日当が一万円ちょっとだというのでネット上でかなり話題になっていました、何でそんなに有能な方に対して安い日当なのかと。
これは、私よく友人に言うんですけれども、国会という場所は国民の投票によってその代弁者たる国会議員が集う、その国会議員によって同意されたいわゆる国会同意人事対象案件の会議では、国民の同意が得られた会議であり委員でありますのでその報酬というのは非常に高い、ただ、それ以外の国会同意人事の対象になっていない会議の委員については報酬は一万円程度と、こういうことをよく友人には言うわけであります。
先般の質疑でも申し上げましたけれども、おととしの集団的自衛権の行使を可能とした解釈改憲のときの諮問機関となりましたいわゆる安保法制懇の委員の皆さんも、これは国会同意人事ではありませんので、報酬は一日一万円程度だったということであります。
さて、次のお尋ねですが、この物材機構の理事長に就任された橋本氏、この理事長就任を閣議決定したのはいつになりますでしょうか。
○政府参考人(佐野太君) お答えを申し上げます。
橋本氏を平成二十八年一月一日付けで国立研究開発法人物質・材料研究開発機構理事長に任命することにつきましては、平成二十七年十二月二十五日の閣議におきまして了承されたものと承知しております。
○風間直樹君 そうすると、橋本さんが政府から就任打診を受けたのはいつになりますでしょうか。
○政府参考人(佐野太君) 就任打診といったような人事上の具体的な調整過程につきましては、この場ではお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○風間直樹君 ここ、極めて大事な点でして、ちょっと後でまたお尋ねをします。
では、橋本氏がこの就任を内諾されたのはいつですか。
○政府参考人(佐野太君) これにつきましても人事上の調整過程に入りますので、お答えを差し控えさせていただけたらと思います。
○風間直樹君 文科省は、昨年の御用納めはいつでしょうか。
○政府参考人(佐野太君) 昨年の御用納めにつきましては、行政機関の休日に関する法律というのがございまして、その規定に基づきまして、昨年は十二月の二十八日月曜日でございました。
○風間直樹君 そこで、配付資料の二枚目なんですが、この配付資料、「独立行政法人の役員人事に係る任命手続について」という事務連絡でして、内閣官房の行政改革推進本部の事務局長から出されているものです。宛先は各府省の官房長となっています。
この事務連絡の「記」というところの二番目を見ますと、こう書いてあるんですね。二番目の二行目ですが、「主務大臣が独立行政法人の長又は監事を任命する際に公募によらない場合は、関係機関・団体等への候補者の推薦の求め、外部有識者の意見の聴取等により適任者を選定・確保するよう努めるとともに、任命理由等の公表により任命にかかる透明性の確保を図ること。」と。まあ簡単に言うと、この独法の長を決めるときには、まず公募しなさいよと、それから関係団体に候補者を推薦してもらうよう要請しなさいと、さらに、この任命については透明性を確保しなさいと、こういうことですね。
今回、この物材機構の理事長選任、今の御答弁ですと、橋本さんが理事長に就かれたのが一月一日、それからこの物材機構のスーパー独法昇格が十二月十八日、理事長就任の閣議決定が十二月二十五日と、非常に短期間でされているんですが、この理事長選任に際して、独法等の役員人事に関する当面の対応方針についてに基づく公募は行ったんでしょうか、行わなかったとしたらその理由は何でしょうか。
○政府参考人(佐野太君) 平成二十一年九月二十九日に閣議決定されました独立行政法人等の役員人事に関する当面の対応方針におきましては、現在、公務員OBが役員に就任しているポストについて後任者を任命しようとする場合及び新たに公務員OBを役員に任命しようとする場合には公募を行うこととなっているところでございます。
今般の橋本氏の国立研究開発法人物質・材料研究機構理事長の任命に当たりましては、今申し上げました公募を行わなければならないという場合には該当しないことと、さらに、物質・材料機構が非常に物質、材料という専門性の高い業務を担っていることから、外部有識者への意見の聴取等を行うことによりまして、当該法人が行う事務及び事業に関して高度な知識及び経験を有する適任者を選定することが適当と判断いたしまして、今回は公募は行っておりません。
○風間直樹君 済みません、一番目の理由は分かったんですが、二番目の理由をもう一回お願いします。
○政府参考人(佐野太君) 二番目の理由は、若干繰り返しになりますが、専門性が非常に、物質・材料機構という物質、材料全体を扱う日本の代表的な法人の理事長を選任するわけでございますので、そういった場合には、外部有識者、関係する外部有識者への意見を聴取を行うことによりまして、事業に関する高度な知識とか経験を有しているかどうかを選定するという、そういう方式で選ぶのが適当だというふうに考えたという次第でございます。
○風間直樹君 それは役所としてそういう判断をされたということですか。それはこの独法通則法の第二十条第三項の規定の趣旨とはどう関係するんでしょうか。
○政府参考人(佐野太君) これは役所として判断しておりますが、先ほど先生がおっしゃられましたとおり、独立行政法人の人事に係る任命手続についてという各省庁官房長宛ての「記」の二ポツにございますように、公募によらない場合には、関係機関、団体等への候補者の推薦を求め、外部有識者の意見聴取等により適任者を選定、確保するよう努めるというふうになってございますので、これに基づいて選定した次第でございます。
○風間直樹君 そうすると、ここにある推薦の求めはしなかったけれども有識者の意見を聞いたりして適任者を選定、確保したと、こういうことですか。
○政府参考人(佐野太君) 今、この物質・材料研究機構理事長の任命に当たりましては、外部有識者の意見の聴取等を行ったところでありまして、この有識者の意見等を踏まえまして橋本氏の任命に至ったところでございます。
○風間直樹君 そうすると、この平成十一年の独法の通則法との関係をちょっと確認しておきますが、配付資料の一枚目ですね。この役員の任命の第二十条の数字の3というところ、主務大臣は、法人の長を任命しようとするとき、必要に応じ公募の活用に努めなければならない、公募によらない場合であっても透明性を確保しつつ云々とあるんですけれども、この3の規定そのものが、先ほど答弁されましたように、その前任者が公務員でない場合は適用されないと、こういう理解でよろしいんですか。
○政府参考人(佐野太君) そのように考えてございます。
○風間直樹君 これは、どこにそういう規定があるんでしょうか。
○政府参考人(佐野太君) 平成二十一年九月二十九日に閣議決定されました独立行政法人等の役員人事に関する当面の対応方針というものがございます。その際、公務員の天下りに対する国民の厳しい批判等を踏まえ、公正で透明な人事を確保する観点から、現在、公務員OB、役員に就任しているポストについて後任者を任命しようとする場合及び新たに公務員OBを役員に任命しようとする場合には、公募により後任者を選考を行うというふうに書いてございまして、それ以外については幾つかの選び方があるというふうに考えてございます。
○風間直樹君 分かりました。その点は明らかになりました。
では、次の問いですが、これは酒井政務官に対するお尋ねになりますけれども、この総合科学技術会議の委員が、先般の質疑で指摘しましたように、物材機構のスーパー独法昇格を決定する会議に参加されていらっしゃった、橋本さん、参加されていたわけであります。これが利益相反が疑われかねない行為ではないかというのが一点目。そして二点目は、会議開催が先ほどの御答弁によりますと十二月十八日、橋本さんの理事長就任が一月一日。非常に短時間でありますが、こうした日程上の問題点について、私は、ちょっと短時間過ぎて、これ本当にそうなのかなと、政府が答弁されているのが事実なのかなという疑念を持っているんですが、この点について酒井政務官の認識をお尋ねしたい。そして、利益相反も招く可能性についてどう御認識されていらっしゃるか。この二点についてお願いします。
○大臣政務官(酒井庸行君) 風間先生の御質問にお答えをいたします。
まずは、一点目の利益相反にという御質問でございますけれども、まず、このいわゆる任命権者というのは私どもではございませんでして、文部科学大臣でございますものですから、そのことについて私どもが知る立場にはないということはまず申し上げておきたいというふうに思っております。
そして、利益相反の話の中で、これは文部科学省だけではございませんけれども、こういうときに各省庁の人事に関しては、それぞれの省庁の皆様方、あるいはいろんな有識者の方々を踏まえてきっと任命をしていくんだろうというふうに思っております。そういう中で今回の橋本さんの件があったというふうに理解をしております。
それに関しては、橋本さんという方が、総合科学のイノベーション会議において、物質機構の特定研究開発法人への追加等、あるいは論文の引用の世界ランキングや国際特許出願件数の世界ランキングの客観的な資料に基づいており、十分な客観性を持った判断を行われたということだと思います。
その意味で、その会議の中に入ってやるということに私は当たらないというふうに考えておりますし、もう一点の期間の問題でありますので、その期間について、私ども、先ほど申し上げましたけれども、知るところではありませんでしたので、それがいいかどうかという判断は、これは私どもで判断できるという問題ではないというふうに考えております。
○風間直樹君 橋本さん御自身が物材機構の理事長として適任かどうかという判断については、確かに非常に才能高い方でいらっしゃいますから適任なんでしょう。その点については異論はないんだろうと思います。
ただ、問題は、この物材機構をスーパー独法に昇格させますかどうしますかということが諮られる会議、昨年の十二月の十八日の会議に、物材機構の理事長に恐らくこの時点で内定をされていた橋本さん御自身が参加をされていらっしゃる。この点がやっぱり役所の運び方としてまずいんじゃないですかということが今日の私の質疑のポイントなんですね。利益相反が疑われかねませんよと。仮に今回のケースで橋本さんについてはそういうおそれはないとしても、これが今後の役所のこうした人事の運び方の前例になるのはまずいと思っています。ですので、利益相反が疑われかねない行為ですよという指摘をしています。
この部分は内閣府の所管ではないということで、文科省の所管かと思うんですが、豊田政務官お越しいただいていますが、この点についての認識はいかがでしょうか、利益相反について。
○大臣政務官(豊田真由子君) お答え申し上げます。
橋本氏の物材機構の理事長就任につきましては、CSTIにおけます特定研発法人を選定する議論を含みます物材機構に関する議題に橋本氏自身が関与をしない、具体的には、この実際の会議におきまして橋本氏が物材機構に関わる議論で発言をしなかったというふうに承知をしておりまして、こういったことから利益相反は生じないというふうに考えているところでございます。
○風間直樹君 こういうことですよね。橋本さんは、既にこの当時以前から総合科学技術会議の委員でいらっしゃったと、この事実がまずあるわけです。そうしたところ、文科省の方で、恐らく文科省の発意なのか、この物質・材料機構という独法をスーパー独法に昇格したいというアイデアが持ち上がった、それを諮る場がたまたま総合科学技術会議だったと、これが二点目。文科省としては、様々有識者等の意見も聞いてみたところ、橋本さんという方がこの物材機構の新しい理事長には適任ではないかという意見を得たと、これが三点目。その過程の中で、では、いよいよ物材機構のスーパー独法昇格を諮る会議が近づいてきてみたら、この会議のメンバーに橋本さんがいらっしゃったと、四点目。
これ、文科省と内閣府それぞれで所管が違います。スーパー独法昇格の案件は内閣府のその会議の場。一方、物材機構の理事長の人事の所管は文科省。ですから、これ察するに、内閣府と文科省の事前の相談、連絡というものがちょっと滞っていたんじゃないかというふうに思うんですけれども、両省でいつ頃からどんなふうにこの案件をめぐって事前の調整、相談をされたんですか。これは政府委員でも結構ですが。
○政府参考人(森本浩一君) 先ほど御答弁ございましたように、本件、人事に関わる問題でございますので、その調整過程についての答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○風間直樹君 森本さん、これ、差し控えるで済まないですよ。だって、この総合科学技術会議は国会同意人事の対象でしょう。そうでなければ答弁差し控えるで私も見逃すかもしれませんが、国会同意人事の対象である会議の委員が加わった会議でスーパー独法の昇格を決めて、その独法の理事長にこの会議の委員が就くというのは、今の答弁ではちょっと見逃すことができない。やはり国会の行政に対する監視機能、我々は担っていますから、もう一回御答弁ください。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。
ただいま累次御答弁申し上げましたとおり、橋本理事長は、国会同意人事で、非常に見識のある、高い見識をお持ちの方ということで選定されているものだと思います。したがいまして、その方の御判断というものを我々は尊重しなければいけないし、尊重を申し上げております。
それで、そういう意味で、この利益相反の問題につきましては、まずは御本人が判断されるということが基本であると考えておりますので、そういう意味で、今回、その十二月十八日の会議の場で御発言がなかったということでございますので、利益相反の問題は発生していないと、こういうふうに考えております。
○風間直樹君 いや、その答弁は苦しいですね。その橋本さんの責任に押し付けちゃっています。それはまずいですよ。やっぱりこの会議は、繰り返しになりますが、国会同意人事の対象の会議ですから、その選任には、当然その人選に当たっては事務方の内閣府も加わっていらっしゃる。その結果選んだ会議の委員である橋本さんに対して、利益相反があるかどうかはもう先生の御判断ですので、当日、その会議の場で判断してくださいと、こういうことでは通らないと思います。
これ、本来であれば、理事長就任予定者を、物材機構がスーパー独法に昇格するということを決める会議の前に、この会議の委員から一旦外す仕組みをつくるべきかどうか、これを検討しなきゃいけないと思うんですね。多分、これ内閣府も優秀な職員の皆さん集まっていらっしゃいますので、この点がちょっとぎりぎり際どいということには事前に気が付かれたと思う。この点について、内部ではどのような判断をされたんですか。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。
やはり利益相反のマネジメントの基本は、御本人がどのように判断され、それを申告するかどうか、こういうことにあろうかと思います。したがいまして、人事の情報につきましては関係者限りで扱われておりますので、それ以外の方は知ることができないということが前提にございます。したがいまして、今御指摘のように、そういう利益相反が疑念を持たれないような、そういう運用をすべきだというのは我々も心掛けていかなければいけないというふうに考えております。
○風間直樹君 ここはやはり政務の出番かなというふうに思います。役所の答弁も幾つかいただきましたが、なかなか苦しいお立場がかいま見えるわけです。
酒井政務官にお尋ねしますが、内閣府の設置法というのがありますね。この三十二条、ここにこうした国会同意人事案件の様々な規定があるわけですけれども、この改正を検討すべきではないでしょうかというのが私の問題意識です。政務官はどんなふうにお考えでしょうか。
○大臣政務官(酒井庸行君) 先生からのいろんな御指摘をいただきました。
まず、文科省と内閣府との関係のこともおっしゃられましたけれども、これは何かあってというわけでもございませんので、そのことは御理解いただきたいと思いますし、私どもとしては、やはり主務官庁であります文科省がきちんと、先ほど申し上げましたけれども、橋本さんに関してはきちんと選定をしたというふうに思います。その上で、そのことを私どもはきちんと理解をしなければいけませんし、そのことに関してきちんとやはり認めていかなければならないというところもあるんだろうと思います。そこで私どもが、違うところからこの人は違うだとかなんとかということは言うことではないと、私、これはそんなふうに思っておりますので、その上で、もし皆さん、橋本さんがこういう立場になられて今後問題があるとなれば、それは当然先生方からも、私の方からも、御意見をいただくことになるだろうというふうに思います。
その上で、今先生のお話、三十二条のことでありますけれども、これは法案という部分では検討ということは今のところ考えておりませんけれども、仮に会議に付議されている事項について直接の利害関係を有する議員がいる場合ということでございます。罷免という措置ではなくて、審議及び議決に参加させないことで一般的に対応しているものと承知をしております。
ですので、CSTIにおいてもそうした対応を厳格に運用をしてまいりたいというふうに思っておりますし、先生のおっしゃる検討に値していくものだというふうに私は考えております。
○風間直樹君 私、今回この質問を先日に引き続いてしましたのは理由がありまして、一つは、先ほど申し上げたように、特に国会同意人事の対象の会議の委員の話ですから、やはり行政を監視する国会の役割としてこの詳細については確認をしておく必要があるということ。
それからもう一点は、日程、カレンダーを見て感じたことなんですけれども、先日の質疑を終えまして、部屋に戻って昨年の十二月のカレンダーを見たんですね。そうしましたら、橋本さんの理事長就任をした閣議決定が先ほどの御答弁のとおり十二月二十五日金曜日、翌日、二十六、二十七は土日です。週が明けて二十八日が御答弁にあったように御用納めの最終日。ですから、もし政府の御答弁どおり、橋本さんに対する事前の根回しもしていないし内諾もしていないと、そこは答弁できないんだということでしたけれども、それが事実とすれば、橋本さんに政府から連絡が行ったのが二十五日の金曜日か二十八日の月曜日。三、四日明けてもう橋本さんは物材機構の理事長に飛んでいかなきゃいけないんですよ。こういう運びが余りにも政府の人事の決定としてよろしくないんじゃないですかということを申し上げたいんです。
やはり事前に内閣府と文科省でそれぞれよく調整していただいて、間に合うようにこのスーパー独法の昇格の会議を開く、間に合うように閣議決定を行う、その上で、外に対して、国会に対してこういう日程、手順で進めたということを堂々と説明できるようにしてほしい、これがやはり政府の役割、責任ではないかと思います。
最後に、その点について酒井政務官と豊田政務官からお考えを伺いたいと思います。
○大臣政務官(酒井庸行君) 御指摘ありがとうございます。
先生の言われることもよく理解をしているつもりでございます。今後につきましては、今のいわゆる人事に当たってのそういう手続等に関しましては、それぞれの省庁での任命権というのもありますので、そこは立ち入ることもできない場合もあるとは思います。しかしながら、さっき先生がおっしゃった意味も含めて、今後は、その手続等を含めて、また時間的なものも含めて、先ほどの三十二条のことも含めて検討をしていくということだというふうに私は考えております。
○大臣政務官(豊田真由子君) 先生の御指摘、大変有り難く受け止めまして、関係省庁よく今後も連携をし、また客観性、透明性のあるプロセスのより一層の確保というものに努めてまいりたいと思います。ありがとうございます。
○風間直樹君 最後に、この内閣府の設置法三十二条ですが、やはりきちんと国会に対して説明するためには、独法の昇格決定の会議前に、一旦この会議の委員を利益相反のおそれを招かないために会議から外す仕組みの創設を考慮すべきだというふうに思います。その点の検討を要請しまして、私の質疑を終わります。
ありがとうございました。